過去5年で持ち家最多、貸家は減少
道東6市の2021年度上半期(4―9月)住宅着工動向が本紙集計でまとまった。6市の新設は前年度同期比58戸、4.1%増の1471戸だった。減少傾向から一転し、4年ぶりに上回った。持ち家は過去5年間で最多の791戸だが、貸家は最少の554戸と明暗が分かれた。新設に含まれない増改築は80戸で3年ぶりに増加となった。持ち家は子育て世帯の需要が底堅い一方、今後は新型コロナウイルスの感染状況や建築資材高騰が鍵を握る。
国土交通省が公表している住宅着工統計から集計。着工月は建築物を建築しようとする旨の届け出に準拠する。
利用関係別は、持ち家が142戸増に対して貸家が91戸減。給与住宅と分譲住宅は微増にとどまった。貸家はコロナ禍で住宅投資の機運が落ちたことが影響し、低迷している。
建て方別では、戸建てが140戸増、長屋が103戸減、共住が30戸増で推移。戸建ては過去5年で最多、長屋は最少となった。
地域別で見ると、帯広は17戸減の599戸、延べ床は3.1%増の5万5327m²。戸数は3年連続の減少だが、延べ床は増加に転じた。持ち家は45戸、延べ床は19.2%増となったが、貸家は49戸、延べ床は17.7%下回った。
釧路は14戸減の377戸、延べ床は4.7%増の3万7326m²。戸建ては30戸、延べ床が12%増で推移した半面、長屋は88戸、延べ床は85.6%減と落ち込んだ。
根室は17戸増の54戸、延べ床は33.8%増の6000m²。貸家が減少した一方、持ち家は13戸、延べ床は51.4%増と伸びた。
北見は56戸増の334戸、延べ床は25.4%増の3万1755m²。着工数300戸を超える帯広、釧路と比べて唯一、持ち家と貸家ともにプラスになり、分譲住宅も17戸、延べ床は79.2%増となった。
網走は8戸増の75戸、延べ床は5.7%増の7777m²。持ち家より貸家の伸び率が高く、他の5市とは異なる傾向を示した。
紋別は8戸増の32戸、延べ床は23.4%増の3242m²。戸建ての新築が進み、持ち家は2倍の22戸となった。
また増改築は80戸、延べ3767m²で、過去5年で2番目に多かった。中でも釧路の戸建ては23戸で2倍となった。
(北海道建設新聞2021年11月17日付面より)