HAPとJAXA
北海道エアポート(本社・千歳、HAP)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、JAXAが開発した雪氷モニタリングシステムに関する実証実験に2022年2月から新千歳空港で取り組む。両者は18日、航空安全技術の研究開発促進に係る連携協定を締結。システムを使って雪氷状況をリアルタイムに把握し、安全性向上や運航の効率化につなげる。
JAXA航空技術部門が研究する気象影響防御技術の一環。雪氷モニタリングシステムは、埋設した専用のセンサーによる散乱光分布画像とAIで路面上の雪質などを算定する。その情報を航空機や空港管理者に送ることで、離着陸や滑走路・誘導路除雪、閉鎖の判断を支援する。
実証実験は22年2月から22年度にかけて取り組む計画。航空機のオーバーランや立ち往生、遅延・欠航・目的地変更などの減少による安全性向上、運航効率改善を図る。
新千歳空港ポルトムホールで開いた締結式には、HAPの蒲生猛社長やJAXAの航空技術部門長を務める張替正敏理事ら6人が出席。航空安全技術に関する研究開発促進、イノベーション創出、道内7空港や試験設備などの相互利用に関する協定を結んだ。研究関連では路面摩擦推定技術の共同研究にも着手する考え。
張替理事は「雪や氷などは安全運航に与える影響が大きく、新しい技術が望まれる分野。航空科学技術を通して貢献したい」と述べた。
蒲生社長は「システムはリアルタイムで積雪状況をモニタリング可能と聞いている。除雪をいつ開始するか、どう除雪するかなど、適切に指示してもらえる画期的な取り組み」と期待を示した。
(北海道建設新聞2021年11月19日付1面より)