石狩市が厚田地区でマイクログリッド試運転

2021年11月24日 10時00分

太陽光や蓄電池組み合わせ送電

太陽光パネルを置き、蓄電池や燃料電池はコンテナに格納した

 石狩市は、厚田地区に構築したマイクログリッドシステムの試運転を始めた。太陽光発電や蓄電池、水素燃料電池などを組み合わせたシステムで、近隣の道の駅や学校など5施設に送電。通常時は電力系統に連系し、災害などで停電が起きた際は系統から自立して避難所に電力を送る。地域の防災力向上や脱炭素を促す取り組みとなる。停電時に自立運転へと切り替えられるマイクログリッドは国内で珍しい。

 マイクログリッドは小規模な発電網を意味し、再生可能エネルギー発電などの分散型電源を使って地域内でエネルギーを地産地消するシステムだ。防災力強化や送電時のエネルギーロスが少ないなどのメリットがある。

 市は、道の駅石狩「あいろーど厚田」駐車場隣の市有地に、太陽光パネルやリチウムイオン蓄電池、水電解装置、燃料電池、受変電装置などを置いた。通常時は太陽光パネルで発電して周囲の施設に送電。余剰電力は蓄電池にためた上で送るか、水電解装置で水素をつくりタンクにためて停電に備える。水素は常に満タンを保つ。エネルギーマネジメントシステムで全体を制御する。

 11月末をめどに道の駅や市立厚田学園、消防署の支署、給食センター、ポンプ場への送電を始める。これら施設の使用電力のうち年間約20%をマイクログリッドから送るという。不足分は系統から買う。再エネの利用で年間55㌧のCO₂を削減できるとする。

 災害などによる停電時には太陽光と蓄電池、水素燃料電池を使って指定避難所の厚田学園に集中送電。体育館の照明やトイレ、充電に活用する。72時間以上の供給が可能だ。

 道の補助金を利用して設置した。高砂熱学工業と北弘電社の共同体が施工。水電解装置には高砂熱学工業が開発した製品を採用している。通常稼働時の採算は確保できるという。

 道の駅の休憩スペースにデジタルサイネージを設け、発電量や蓄電量、電力消費量などをリアルタイムで表示する予定。道の駅でも可搬式の蓄電池をシステムとは別に設けて太陽光で蓄電する。

 設備能力は、太陽光発電が出力163.4㎾(出力430Wのパネルが380枚)、蓄電池が出力50㎾・容量168㎾時、燃料電池が出力2㎾、水素タンクが容量120m³となっている。

 市企業連携推進課の堂屋敷誠課長は「システムは防災力の向上が最大の目的。合わせて水素の活用ノウハウを石狩市に定着させたい」と話す。市は2017年に石狩市水素戦略構想を策定し、再エネによる水素製造の拠点化などを柱に掲げている。

(北海道建設新聞2021年11月22日付10面より)

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