行政書士池田玲菜の見た世界

 アンパサンド行政書士事務所の池田玲菜代表が、行政書士の視点から連載するコラム。(北海道建設新聞本紙3面で、毎月第1木曜日に掲載しています)

行政書士池田玲菜の見た世界(14)相手に思い伝える国語

2021年12月03日 09時00分

ずっと変わらず必要な力

 わが家の長男は今年から小学校に通い始めました。国語の授業では、平仮名やカタカナの書き方を習い、漢字の読み書きも始まりました。先日、「もう平仮名もカタカナも読めるから、国語の授業は簡単だ」と言っていました。

 親としては、書き取りで勉強をやめられては困ります。「国語とは、書いてある文字を読めるようにするための勉強ではなく、相手の言いたいことをきちんと理解し、自分の言いたいことを伝えられるようにする練習だよ。文字はそのための道具だから、読めなければいけないけど、読めるだけでもいけないよ」と伝えました。

 ところで、LINEなどのメッセンジャーアプリが業務などにも利用されるようになり、いろいろなコミュニケーションツールに取って代わられるようになりました。メッセンジャーアプリは、気軽にすぐに送ることができ、返信も気軽にできるというメリットがあります。それに加え、スマートフォンやパソコンなど端末を問わずに見ることができるので、職場でも移動先でも見ることのできる便利さもあります。人気が出るのも分かります。

 弊所でも、お客さまとのコミュニケーションツールとして、チャットアプリやメッセンジャーアプリを導入しています。

 しかし、たまに困ったことが起きます。問いに対する回答が返ってこないのです。業務を進めるために聞きたいことがあるのに、適切な事実や考えを聞くことができません。口頭であれば「その件ではなく」と伝えることができることでも、文字で角が立たないように伝えることはちょっと面倒なことです。

 電子メールを利用するときは、そのような行き違いはあまりないように感じます。メッセンジャーアプリの気軽さゆえに生じてしまうのでしょうか。私自身も、文章に配慮が欠けているのでしょう。

 私は、国語のテストが苦手で、なかなか高得点を取ることができませんでした。先生に相談に行っても「あなたの解答を見てもセンスが感じられない。国語の勉強をする時間を他教科の勉強に使いなさい」と言われたほどでした。その頃は、国語がどのような勉強なのかが分からず、必死にもがいていました。

 仕事をするようになり、自分が伝えたいことを把握し、表現し、相手が伝えたいと思われることを読み取ることを必死に続けるなかで、国語の授業が目指していたことが分かるようになり、少しずつ国語力が上がったように感じています。伝えたいことの伝え方が分からないことや、伝わらないことも減ってきました。

 新しくITの技術や知識が必要なのはもちろんですが、国語力をはじめとして、変わらずに必要な能力もあるものですね。

(北海道建設新聞2021年12月2日付3面より)


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