ドーム周辺40億円
札幌市は招致を目指す2030年冬季五輪・パラリンピックの開催経費について、市が所有する9施設にかかる全体費用に957億円、施設整備に630億円を試算している。うちスポーツ交流拠点基本構想案に関連して、開・閉会式会場への活用を見込む札幌ドーム周辺では外構や一部建物の整備費用、仮設費を含め40億円を見込んでいる。
大会運営費に原則税金を投入しない計画を示し、既存施設を最大限に活用して大会のためだけの新たな施設は設けない方針を掲げた。
大会概要案には、施設整備費800億円と仮設費600億円を盛り込んだ。施設整備費は施設所有者が負担し、仮設費は組織委員会が負担する。札幌市以外が所有する施設は施設所有者と精査中。市有施設で必要な用地取得費用は市の負担となる。
市は11月29日に経費削減案を示した際に施設整備費800億円を含む、市所有施設にかかる経費の合計を概算で950億円と公表。各会場にかかる経費の内訳を示す中で、詳細な合計として957億円との試算を示した。
市が所有する9施設の整備費内訳は新月寒体育館などが365億円、つどーむが4億円、白旗山競技場が2億円、大倉山ジャンプ競技場が78億円、市営月寒団地ほか選手村が157億円、札幌ドーム周辺が24億円。うち新月寒体育館などの市負担額は214億円、市営住宅月寒団地ほか選手村は86億円をみている。
これら9施設の整備費用は合計630億円、各施設の仮設費や用地取得費を合わせると957億円に上る見通しだ。新月寒体育館などと市営住宅月寒団地ほかについては、仮設費のほか一定の用地取得費を積み上げている。
月寒体育館は仮設工事のみで、札幌ドーム周辺に後継の新月寒体育館を移転・建て替える予定。アリーナや屋内・外スポーツ施設、にぎわい施設の整備方針を掲げ、メダルプラザやスポンサーパビリオン、物販施設の整備も視野に入れる。
月寒団地は市営住宅の集約・建て替えと連動し、1900人を収容できる選手村として活用する方針だ。
(北海道建設新聞2021年12月6日付10面より)
北海道建設新聞2021年12月6日付10面には、整備費と用地取得・仮説費を含む合計をまとめた各会場経費の表を掲載しています。閲覧は新聞本紙をご覧ください。