風力発電施設の部材運搬と大型客船寄港の両方への対応目指す
室蘭市は7日、開会中の定例市議会一般質問で祝津埠頭背後地の土地利用を一部見直す考えを示した。2020年度に策定した観光振興計画で重点観光エリアに位置付け、祝津埠頭では水深11m岸壁の整備が進むが、11月に大成建設が浮体式洋上風力発電施設の製造拠点整備構想を表明。市は大型客船寄港と大成建設の部材運搬どちらにも対応できるようにする。
南川達彦氏(市政結和)が、大成建設の構想と祝津地区の土地利用などの関係を質問。関川純人経済部長、佐藤肇港湾部長が答弁した。
関川部長は「産業観光の活用を念頭に計画見直しを検討する。浮体式洋上風力製造の実証地から将来的な実装のステージへと新たなグリーン産業の立地を実現させることは経済雇用の面から波及効果が大きく、強力に推し進めるべき」と表明。「既存ビジョンとの併存活用を模索するなどビジョンの再構築を図りたい」と述べた。
佐藤部長は「今後、必要に応じて港湾計画の軽微な変更を検討する。祝津埠頭を利用する大型客船の寄港は一般的に事前に決まるので、洋上風力関連部材を輸送する大成建設と利用時間を調整することが可能」と話した。
祝津埠頭背後地は30haの広さがある。大成建設は事業規模で最大100億円を試算。市と包括連携協定を締結した。
(北海道建設新聞2021年12月9日付9面より)