積算精度の向上が背景 下水道や管などの工種で上昇傾向に
札幌市の発注4部局(市長部局、交通局、水道局、病院局)が2021年度10月末までに入札した工事1075件のくじ引き発生率は52.4%となり、前年度同期に比べ4.4ポイント上昇した。委託は0.6ポイント縮小の61.6%となっている。9日に開いた市入札・契約等審議委員会で担当者が報告。委員から下水道や管などの工種でくじ引き率が上昇傾向にあるとの指摘があった。市は上昇理由として積算精度の向上を挙げ、引き続きくじ引き対策を検討する姿勢を示した。
21年度10月末までに発注した随意契約を含む工事の合計は、前年度同期比112件減の1118件で、契約金額は15.2%減の833億800万円。うち1073件を制限付き一般競争、2件をWTO対象の一般競争で入札した。制限付きの内訳を見ると、成績重視型は123件、総合評価は219件だった。
一方、委託は随意契約を含め53件減の662件、12.7%増の49億1100万円を発注。うち制限付きは523件で、成績重視型は57件、総合評価は64件とした。工事は前年度に東京五輪マラソン・競歩関連の舗装工事があったほか、大型の市営住宅関連工事の減少に伴い設備も付随して減少したことなどが影響している。
工事のくじ引き発生率を見ると、全工種平均は52.4%で4.4ポイント拡大した。格付け7工種は、土木が2.3ポイント上昇の72.6%、下水道が11.9ポイント上昇の65.7%、電気が2.3ポイント上昇の11.8%、管が5.9ポイント上昇の51.8%。造園は55.2%で2.9ポイント縮小した。
委託の全業種平均は61.6%で、0.6ポイント縮小した。地質調査は前年度同期と同様に100%。測量は2ポイント縮小の76%、設計は1.1ポイント拡大の53.5%とした。
平均落札率は工事が90.76%で0.35ポイント低下。格付け7工種では舗装のみが上昇した。
委託は0.14ポイント下降の83.04%。測量が0.01ポイント減少の80.06%、地質調査が0.47ポイント上昇の81.2%、設計が0.39ポイント減少の84.39%だった。
(北海道建設新聞2021年12月10日付10面より)
北海道建設新聞2021年12月10日付10面には、各部局の工種・業種・等級別の落札率をまとめた表が掲載されています。閲覧は新聞本紙をご覧ください。