会社探訪記

 地域に根差した企業を不定期で紹介します。

会社探訪記 北海道レンタルシステム 安全性・経済性で現場支える

2021年12月13日 12時00分

万全整備のレンタル品を提供

 北海道レンタルシステムは、ジー・オー・ピー(本社・東京)の北海道総代理店としてアルミ可搬式作業台や台車などを扱う会社。直接の顧客は道内の建機レンタル会社で、いわゆる〝卸レンタル業〟の位置付けになる。11月に本社を札幌から小樽市銭函へ移転し、2万m²の広大なヤードのもとで事業を強化した。商品をQRコードで個体管理するなど、建築現場の安全確保に向けたアフター体制には早くから積極的。現場の工程管理表や立面図などを基に適正な仮設資材の使用台数を算出する「山積みシステム」も特長で、安全性と経済性の両面から現場を支える。

石狩湾新港に移転した北海道レンタルシステムの新社屋

 1998年3月に「株式会社ユニコムレンタル」の社名で設立した。当時はトラックメーカー各社が販売台数アップにしのぎを削っていて、手付かずだった建機レンタル会社の販路拡大を狙い、日野自動車の販売会社と札幌の総合リース会社が共同出資してつくった。2006年11月に現社名となる。

 14年から社長を務める光武造さんは九州生まれ。住友石炭鉱業で働く父の関係から、幼少期は長崎と三笠を行ったり来たりして過ごした。

「今後も安全・安心なレンタル品を提供したい」と光武社長

 大阪の専門商社・ワキタで社会人のスタートを切り、北海道への転勤を機に地元志向が強まって共成レンテムに転職。所長として札幌西営業所の立ち上げに尽力した。4年後、同業の先輩の勧めでユニコムレンタルの星野順一社長と出会い、「いつから来られる」とラブコールを受け転籍を決意した。

 設立時はダンプや平トラックなどの車両レンタルが主体だったが、営業競争から段々と貸出単価の相場が下がり、利益が減価償却に追いつかない事態になった。「このままだと5年後に倒産する」。そんな時、アルミ式作業台を提唱していたジー・オー・ピーと知り合った。

 1990年代の建築現場は、脚立と足場板、ゴムバンドを組み合わせた「馬足場」が主流だったが、設置に時間がかかったり災害が発生しやすい課題があった。代わりに脚光を浴びたのがジー・オー・ピーのアルミ合金製可搬式作業台で、全国への普及を目指す中、北海道は建機レンタル会社向けに活動するユニコムレンタルに託すことにした。

 現在は、墜落防止の感知バーを備えたSGペガ500や、連結することで平らな大面積を確保できるギャラクシーシステム、揺れが少ない階段用作業台のSGエクレスなどを扱う。

 安全ポリシーとして事故ZERO、修理ZERO、滅失ZEROの「3つのZERO」を掲げる。レンタル商品を1台ずつQRコードで個体管理。大型物件の場合は年2回、現場へ点検に出向き、作業台や台車に異常がないかチェックする。

 山積みシステムと名付けた提案営業もポイントだ。現場から工程管理表と立面図、平面図を提供してもらい、レンタル品の適正な使用台数を独自算定でシミュレーションする。現場にとっては借りすぎを防ぐことができ、スペースの限られる現場でも台車置き場などで場所を取られなくて済む。

 11月に本社を移転した。石狩湾新港地域に位置し、本社のほか、倉庫棟や整備棟を配置する。今後は扱う作業台や台車の品質維持を狙い、自動洗浄ロボットなどを導入予定だ。

 光武社長は「万全整備の安全・安心なレンタル品を提供することで、必達目標の事故ZEROにつなげたい」と話している。

(北海道建設新聞2021年12月6日付3面より)


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