23カ所、延長32kmの無電柱化推進 道が次期計画案

2021年12月17日 09時00分

 道建設部は、2021―25年度を期間とする次期北海道無電柱化推進計画案をまとめた。道道における25年度末の無電柱化率について3つの目的別に目標を設定しており、防災の目的ではDID(人口集中地区)内の緊急輸送道路を現在の2.1%から5.3%へと向上させる。計画期間内の整備予定箇所は深川雨竜線(深川市4条2)や倶知安ニセコ線(倶知安町南4条1)など23カ所で、整備延長は約32㌔となっている。(各路線の無電柱化整備4面に)

 20年度末までの無電柱化の推進状況を見ると、道道は71カ所、道路延長約26㌔で、上り下りを合わせた整備延長は約49㌔に上る。18年に発生した北海道胆振東部地震など近年は災害リスクの高まりや被害の甚大化が顕著で、道路の防災性向上が求められているほか、通行空間の安全性・快適性確保、良好な景観形成の必要性が高まっていることから一層の推進を図る。

 無電柱化に当たっては①限りある予算による効率的な整備(選択と集中)②積雪寒冷地に即した低コスト手法③無電柱化の手法(多様な整備手法の活用)④新設電柱の抑制(占用の在り方)⑤地域における合意形成(関係者等との連携や調整)―という5つの対応方針を設定。

 この方針に基づき、防災、安全・円滑な交通確保、景観形成・観光振興の観点から優先的に整備すべき対象道路への選択と集中を進める考え。また、浅層埋設の導入や角型多条電線管路等の活用など積雪寒冷地に適した低コスト手法を検討。緊急輸送道路における新設電柱占用制限の実施、地中化に伴う占用料優遇などにも取り組む。

 道道における無電柱化率目標は、防災面でDID内の緊急輸送道路を2.1%から5.3%へと高める。景観形成・観光振興では景観法に基づく景観地区内の道路を11.5%から13.9%に、安全・円滑な交通確保ではバリアフリー基本構想における生活関連経路を35.6%から37.9%にそれぞれ引き上げる。

 計画期間内に着手を予定しているのは23カ所、整備延長約32㌔。ニセコ町が倶知安ニセコ線(南4条1)、倶知安停線(北1条西3丁目)、ニセコ高原比羅夫線(山田)の3カ所、八雲町と斜里町が各2カ所などとなっている。

 道内全域の道路(国道、道道、市町村道)では、21年度からの5カ年で約120㌔の無電柱化に着手する予定。このうち国道は38カ所、約64㌔、札幌市が管理する道道・市道は札幌環状線(白石区南郷通1丁目北ほか)など約15㌔、札幌以外の市町村道は幸坂通(函館市弁天町)など9カ所、約9㌔を見込んでいる。

(北海道建設新聞2021年12月16日付1面より)

 北海道建設新聞2021年12月16日付4面には、道無電柱化計画案等の整備予定箇所の一覧を掲載しています。閲覧は新聞本紙か、e-kensinプラスの記事検索コーナーをご覧ください。


関連キーワード: 北海道庁 景観 災害・防災 道路

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