ドライバー不足に対応へ
冬になると凍結や積雪で多くの危険が伴う北海道の路面。ハンドルのない自動運転バスの冬季運行に向けた実証実験が上士幌町で始まった。上士幌町や自動運転車導入企画のBOLDLY(本社・東京)、十勝バス(同・帯広)などが連携。15―19日に自動運転バス1台が1日当たり20便運行する。除雪や凍結防止剤の散布などで道路環境を整え、安全な運行に挑む。
町は、町民や観光客の移動手段確保に向けて自動運転バスの社会実装を目指している。BOLDLYの佐治友基CEOは「バスのドライバー不足が深刻。自動運転バスを社会実装し、地域交通を支えたい」と意気込む。
車両はNAVYA製のARMAで、定員は8人。時速20㌔未満で走行する。遠隔監視で運行状況を把握してぼたん雪や積雪が障害物を捉えるセンサーに及ぼす影響を調べる。自動運転バスの走行が難しい路面状況ではキャブオーバー型車両で運行する。道の駅かみしほろなど6カ所のバス停で乗り降りできる。
初日に上士幌小の5年生らと試乗した十勝総合局の村上由佳教育局長は「冬期間の路面は危険が多い。未来を担う子どもたちのために安全な通学につながれば」と社会実装に期待を寄せた。(帯広)
(北海道建設新聞2021年12月17日付11面より)