西13丁目―東8丁目周辺の都市機能を協議
仮称はぐくみの軸強化方針検討会(座長・村木美貴千葉大大学院工学研究院教授)は17日、さっぽろテレビ塔で第2回会合を開き、対象エリアを4ゾーンに分けエリアの特徴や課題、強化方針などを話し合った。委員からは多様な緑化手法の展開による大通公園周辺の価値向上や、地下鉄東西線西11丁目駅周辺の官庁施設更新に合わせた空間創出などの提案あった。
中央区の西13丁目付近から東8丁目付近までの東西約2.5km、南北は大通沿道のおおむね南北1ブロック約350mを対象とする。
まちづくりの理念は前回の議論を踏まえ「150年間で育まれてきた大通の価値を再認識し、100年先の未来をはぐくむ」に見直した。その上で、象徴・発信、暮らし・交流、環境・強靱の視点を重視してまちづくりの検討を進める。
札幌駅前通から創成川通までの西A、石山通から西6丁目付近までの西B、西13丁目付近から石山通までの西C、創成川より東側の東ゾーンの4つに分けて議論した。
市が提示したたたき台では、西Aゾーンの強化方針案に「世界に誇れる象徴的な都市文化をはぐくむ」と掲げた。
石塚雅明委員は「今後は多機能で複層化する都市の魅力が実感できる都市にする必要がある。魅力形成のコアが大通公園なので、多様な緑化手法などを展開して市民生活や商業活性化にどうつながるか体感できるリーディングエリアにすべきだ」と指摘した。
西山徳明委員は「大通公園が将来の市民のライフスタイルにどう影響するか。市民が豊かな暮らしをすることが、結果として観光資源になる」と述べた。
エリアの西端となる西Cゾーンは「美しいみどりや歴史・文化芸術を生かした多様な交流をはぐくむ」を強化方針案として示した。
門田高朋委員は、合同庁舎や裁判所など大規模な公用地が公園に面していることに触れ、「将来の更新に合わせて使い方を工夫することで、大通公園の前面街区に新たな機能導入や広い空間を確保することにもつながる。時代の流れに対応しながら新たな価値を創造するための種地になる」と話した。
このほか、西Bゾーンは「沿道と公園が一体となった街並みをはぐくむ」、東ゾーンは「創造性豊かな職・住環境と人にやさしく歩きたくなるまちなかをはぐくむ」を強化方針に挙げた。
次回会合は2022年2―3月ごろの開催を予定し、中間まとめを公表する。その後のパブリックコメントを経て、22年度末の策定を目指している。
(北海道建設新聞2021年12月20日付12面より)