技術者の残業 10月は平均62時間
北海道建設業協会は、会員企業を対象にしたアンケートを通じて労働時間の実態を調査した。週休日の確保については41.9%の企業がおおむね4週8休を達成。前回調査した2018年と比べると15.7ポイント増加し、着実に週休の取得が進んでいる。技術者の残業時間が多い月は10月で、平均すると61・9時間。18年よりも1・6時間減少した。
アンケートは働き方改革に伴い、一層の働き方の改善が求められることから会員企業に所属する技術者や技能者の労働時間を把握するため実施。調査対象にしたのは20年8月から21年7月までの1年間。会員企業587社のうち258社、44%が回答した。
技術者の残業時間については各企業で残業時間が最も長かった3人を対象に調査した。年間では、24年度から適用される時間外労働の上限規制に触れない359時間以下は49.6%にとどまり、12.1%が720時間以上だった。
技術者以外だと事務職と営業職は359時間以下が9割近くを占める。一方、技能者は359時間以下が64.6%、720時間以上が6.9%で、技術者と同様に依然として大きな開きがある。
技術者は、10月の残業が最も多く14.7%。18年と比べると6.5ポイント減った。18年は10月を頂点に追い込み期に当たる9―12月の割合が高かったが、今回は10月の突出が抑えられ全体的に平準化している。10月の平均残業時間は61・9時間。上限規制で定める45時間を超過するものの18年より1・6時間改善した。
職務別の有給休暇取得日数は、各企業で取得日数が最も少ない3人を対象にした。技術者は1―5日が39%。6日以上は56.5%だった一方でゼロ日が4.5%あった。
週休日の実施状況については、41.9%の企業がおおむね4週8休を達成。以下は4週6休が35.3%、4週7休が14.3%と続き、平均すると4週6・9休。18年と比べると4週8休は15.7ポイント、4週7休は7.8ポイント増えたのに対し4週6休は12.8ポイント減少した。
長時間労働の是正や週休2日制の普及に必要な取り組みを聞くと、適正な工期設定や提出書類の簡素化・削減、設計労務単価の大幅な引き上げが上位に挙がった。
賃金については、直近1年間で基本給か一時金を引き上げた企業は両方を含め9割に達した。支払い方法は技術者や事務職、営業職はほぼ月給制なのと対象的に技能者は38%にとどまり、34.9%が日給月給制としている。
(北海道建設新聞2021年12月22日付1面より)