農林水産省は22日、バイオマス産業都市として、オホーツク管内の雄武町を含む全国3市町を選定した。道内は同町のみ。構想によると、農業協同組合や地元企業などと連携し特別目的会社(SPC)を立ち上げ、家畜ふん尿などを活用した集中型バイオガスプラントを整備する。プラントから生み出される電力は主に売電する考えだ。
バイオマス産業都市は原料生産から収集・運搬、製造・利用までの経済性が確保された一環システムを構築し、バイオマス産業を軸とした環境に優しく災害に強いまちづくりを目指す。
雄武町は、バイオガスプラントによる産業振興と雇用創出、再エネによるイノベーション創出などを将来像に掲げる。経済波及効果は27億円、就業誘発人数は321人を見込んでいる。
バイオガスプラントで発電する電力は、町が主体となって設立する地域電力会社を通じて町内の公共施設などに販売し、将来的には民間企業や地域住民へ販売を拡大する計画。余剰熱や消化液の利用、スマート農業の研究拠点化なども想定する。
今回の選定により、道内のバイオマス産業都市は37市町村となった。オホーツク管内ではこれまで、興部、西興部、滝上、湧別の4町村が選ばれている。
(北海道建設新聞2021年12月23日付1面より)