本間純子 いつもの暮らし便

 アリエルプラン・インテリア設計室の本間純子代表によるコラム。

 本間さんは札幌を拠点に活動するインテリアコーディネーターで、カラーユニバーサルデザインに造詣の深い人物。インテリアの域にとどまらず、建物の外装や街並みなど幅広く取り上げます。(北海道建設新聞本紙3面で、毎月第2木曜日に掲載しています)

本間純子 いつもの暮らし便(16)吉祥文様で良い一年を

2022年01月14日 09時00分

 新しい年が始まりました。今年こそCOVID―19を収束させ、いつもの暮らしを取り戻したい、そして去年かなわなかった夢を「今年こそかなえたい!」と願うのは、私だけではないでしょう。

 自身の努力だけで実現が難しいときは、良い運気に背中を押してもらいたいもの。皆さんはどうされます?吉方位の神社にお参りしたり、恵方を向いてのり巻きを食べたり、身近なところにラッキーアイテムを置くのも福を招く方法の一つ。先人たちがそうしたように、運気を味方につけて一歩を踏み出す! 非科学的かもしれませんが、成就には強い気持ちが必要です。

 幸運を呼ぶラッキーカラーはよく知られていますが、柄や模様にも招福の「吉祥文様(きっしょうもんよう)」があります。「松竹梅」「鶴亀」「龍」は縁起の良い文様の代表格で、正月、婚礼、成人式などのハレの席でおなじみです。

 文様では、特別な日を表す「ハレ」と日常を示す「ケ」の使い分けはないようですが、ケの日にも使いやすい、つまり日常の私たちを守り支えてくれる吉祥文様はあります。

 亀の甲羅に似ている「亀甲(きっこう)」は長寿を表す文様で、和装の柄にはもちろん、和室の畳の縁でも見かけます。正六角形が基本で連続模様の「麻の葉(あさのは)」は、麻の丈夫さにあやかって、子どもが健康に成長することを願い、衣類の柄として用いられてきました。建築では欄間や障子のデザインにも使われます。正確な加工技術の上に成り立つ「麻の葉」の美しさは、職人さんのモチベーションの維持に、ご利益があるのかもしれません。

 このように和の印象が強い吉祥文様ですが、世界各地にも魔よけや生命をイメージする文様があります。再生の象徴「アカンサス」は欧米の古典建築の柱頭飾やレリーフなどに見られますし、風呂敷の模様で知られる「唐草(からくさ)」は、生命力を感じる優美な曲線が世界共通です。招福を願う気持ちは、いつでもどこでも同じですね。

 先日、アカンサス文様を、2021年版の壁紙の見本帳に見つけました。古典的な柄のはずですが、この壁紙は落ち着いたモダンなインテリアと相性が良さそうです。他にも「立涌(たてくわ)」「七宝(しっぽう)」「青海波(せいがいは)」等々、吉祥文様をモチーフにしたデザインは意外と多く、カーテンや椅子張り地の見本帳を開いても出合えます。

 具象柄の吉祥文様は、古典的な要素が強く感じられますが、幾何学模様はアレンジの自由度が高いので、今、流行のレトロモダンなインテリアにもぴったりです。色彩の組み合わせによっては、吉祥が見つけにくいこともありますが、逆に探し出す楽しみと考えることもできますね。

 吉祥文様にはそれぞれに由来があり、それを知ると、文様を愛用した先人たちの願いや想像力が見えて、より親しみを感じます。

 科学が進んだ現代でも、先を見通すことは難しく、判断に迷うことがあります。そんな時、運気が伴走してくれたら心強いですね。今年は、いつも使うかばんの中に吉祥文様を一つ、いかがでしょう?

(北海道建設新聞2022年1月13日付3面より)


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