工期や人件費に不安 用水路工事など影響
神東塗料(本社・兵庫県尼崎市)による水道用ダクタイル鋳鉄管の合成樹脂塗料試験データ改ざん問題は、十勝管内の工事にも影響を及ぼしている。帯広市の配水管布設のほか、国や道の農業用水路整備でダクタイル鋳鉄管を使う現場が一時中断を強いられた。施工業者は工期や人件費に対する不安を抱えている。

国営かんがい排水芽室川西地区でも
ダクタイル鋳鉄管を布設している
帯広市上下水道部では13日にメーカー側から管を使わないよう指示があり、配水管布設工事2件を中断。うち1件を共同体代表者として施工する竹中配管(本社・帯広)の山田幸恵社長は「このようなことは初めて聞く。今後、どう影響が出てくるか予測がつかないので不安。現場では作業員を抱えているため、どうすればいいのか」と話す。
この日は11、12日にかけて市内で発生した大雪の影響で工事を進められなかったため、現場に納入された管が不正品に該当しないか、ロットの確認に当たった。
農業用水路整備にも影響が出ている。帯広開建は、帯広市農村部を中心に国営かんがい排水芽室川西地区を展開。畑地に用水を供給する管水路をダクタイル鋳鉄管で整備していて、関係する3現場の施工をストップした。
十勝総合局の道営農業農村整備は、4件で工事中断を決めた。農業用水路は管径が1000㍉にも及ぶことがあり、水道用よりも大規模となっている。問題が長期化すれば施工業者の負担はより一層大きくなりそうだ。