22年業況、建設業は低下予測 北洋銀が道内企業調査

2022年01月17日 10時00分

資材価格高騰など背景

 北洋銀行は13日、道内企業の2022年業況見通しに関する調査結果を発表した。建設業に関して業況が前年比でどう変わりそうかを示すDIを見ると、売り上げがマイナス21、利益はマイナス31と、他の産業より低下を予測する声が強かった。公共投資の大きな伸びが見込めない中、資材価格高騰などを背景に、経営者はことしの事業環境を慎重に捉えている。

 調査は、北海道開発予算案が明らかになる前の昨年11月中旬から12月上旬にかけて、道内699社を対象に実施。54%に当たる380社から回答を得た。建設業は76社が答えた。

 DIは全回答企業のうち、売り上げなどが前年より「増えた」「増える」とする企業の割合から「減った」「減る」と答えた割合を引いて算出する。建設業の売り上げに関しては、21年実績は前年比で増加が23%、減少が42%となり、差し引きしたDIはマイナス19だった。22年は21年と比べて増えるとの予測が16%だった一方、減るとの見方が37%ある。

 利益は21年実績が増加20%、減少40%。ことしの予測は増加11%、減少42%と、収益力が弱まるとする見方が増えている。

 全産業ベースの予測DIは売り上げが8、利益がマイナス5。21年実績はそれぞれマイナス4、マイナス10で、業況が上向くとする声が昨年より強くなっていることがうかがえる。

 特にコロナ禍の影響を強く受けていたホテル・旅館業では売り上げDIが昨年実績のマイナス31からことしは94と大幅な改善を見込む。利益DIはマイナス13から81へとやはり急上昇している。

 建設業に先行きの懸念材料を聞くと、最も多かったのは「公共投資の動向」で79%だった。「原油価格の動向」が67%、「新型コロナウイルスの影響」が61%で続いた。原油価格は昨年の29%から急速に増え、他にも物価動向が30%から50%へ、電気料金動向が9%から24%へと関心度が高まっている。

 経営で重視している項目としては「人材の育成・強化」が89%、「顧客ニーズの的確な把握」が43%、「ITの活用」23%が上位3項目で、昨年から大きな変化はなかった。

 回答企業からは「コロナ禍が収束しなければ公共・民間ともに積極的な設備投資はできない」「最近諸資材の価格が高騰して経営が苦しくなっている」といった声が聞かれた。


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