建設業従事者のDX 6割が「対応できない社員出る」

2022年01月18日 09時00分

北洋銀、北海道二十一世紀総合研究所調査

 北洋銀行と北海道二十一世紀総合研究所による道内企業アンケートで、デジタル技術の普及が自社に与える影響を尋ねたところ、「変化に対応できない従業員が発生」と答える割合が建設業で61%と全10業種の中で最も高かった。他業種では32―57%。社員の高齢化に加え、役所など取引先が電子対応していないといった事情も影響しているとみられる。

 調査は昨年11月中旬から12月上旬にかけて、毎年の業況アンケートに合わせ臨時調査の形で実施した。回答企業380社のうち建設業は76社。

 デジタル化の影響に関して建設業で2番目に多かったのは「既存企業間の競争激化」で34%、続いて「自社の優位性や競争力低下」が22%だった。「新規参入企業による競争激化」は9%と1割に満たなかった。

 デジタルトランスフォーメーション(DX)に関わる取り組みは実施中か実施予定の建設業者は50%で、全業種平均の43%よりも高い水準にある。

 実施業者に内容や目的を聞くと、「業務効率化による生産性向上・コスト削減」が97%で最多。次いで「企業文化や組織マインド、働き方などの改革」が70%だった。選択率が3%と低かったのが「新規製品・サービスの開発、販路開拓」で、全業種の22%から開きが見られる。

 DX推進の課題や取り組まない理由を尋ねたところ、「社員全体のITリテラシーやセキュリティー面が不安」が46%、「推進できる人材がいない」が41%だった。「DXの効果・目的が不明」も34%と一定の割合を占めている。

 企業からは「官庁によってDXに濃淡があり、デジタルとアナログの二重管理が求められる」(道南の土木工事業)、「民間では電子取引が浸透してきているが、自治体とはいまだに紙ベース」(道央のコンクリート工事業)など、発注元の姿勢に関するコメントが目立った。

 他にも「(DXを)過去に導入したことがあるが最終的には今までのやり方に固執し、何も変わらずに費用だけを払うことになった」(道央の電気工事業)との声があった。


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