自然への悪影響減少 道内ダンプ100台以上に導入
トラックボデーの2次架装を手掛ける三和ボデー工業(本社・北広島)は、ダンプトラックの排ガスを使って積み荷の凍結を防ぐ技術を開発した。道内で100台以上に導入され、除雪の雪や砂利などが荷台にくっつかず、スムーズな荷下ろしが可能だ。
同社のダンプトラック向け排気リフト装置は、エンジンの排ガスをそのまま外に排出せず、床板を通って荷台に放出する仕組み。1000度以上の高温で荷台空間を加温・保温する。

荷台下に通したパイプから排ガスを送り込む
排ガスが荷台の縁を通るように加工する方法のほか、床全面を通るようにもできる。
ガスの排出方向を制御する弁を取り付けられるよう、パイプの丸い形状を四角形にするなど工夫を凝らした。保温が不要なときは、レバー操作で外に出るよう切り替えられる。
積み荷の凍結を防ぐには通常、荷台に塩化カルシウムなど融雪剤をまく。これは雪や砂利を下ろす際に地面や海へ一緒に落ちるため、環境に負荷を与える。悪質な場合、環境負荷の大きい不凍液や廃油をまいて凍結を防ぐケースもあるという。林陽会長は「製品の普及を通じて自然環境への悪影響を減らしたい」と話す。
三菱ふそうトラック・バス(本社・川崎)に実験を依頼し、排気圧や排気効率に問題がないことを確認。2020年に特許を取得した。三菱ふそうの新車には多く取り付けられているという。装着したままで車検を通過できる。
商品名は「虎蝶」(こちょう)。新車への導入は取り付け費用も含めて税込み38万円ほど。部品単体でも販売する。
三和ボデー工業は1984年創業、社員は約20人。主に自動車ディーラーから注文を受け、トラックのボデーの製作や塗装など2次架装を手掛けている。