登別駅前商業地形成へ 市が都市マス改定素案

2022年01月26日 15時50分

登別・カルルス温泉街で無電柱化

 登別市は2041年度を目標とする都市計画マスタープランの改定素案をまとめた。鷲別、幌別、登別、登別温泉の4つの地域別構想を提示。鷲別の鉄道横断立体交差検討、再開発によるJR登別駅前の商業地形成、JR幌別駅自由通路改善検討、長期的視点での登別・カルルス両温泉街の無電柱化などを盛り込んだ。3月にも成案化する。

長期的視点で無電柱化を目指す登別温泉街

 市は03年3月に都市マスを策定。少子高齢化進行や急速な人口減少、環境問題など都市を取り巻く状況が変化する中、効率的な都市運営や安心・安全のまちづくりを進めるために計画を改定する。

 対象は都市計画区域1万1223haで、市街化区域が1403ha、市街化調整区域が9820haの内訳。都市計画を定める際の指針として土地利用や道路、公園など都市施設整備の方向性を示した。

 15年の市の人口は4万9625人。国立社会保障・人口問題研究所によると、40年には7割の3万4485人に減少すると予測されている。計画策定に向けた市民アンケートでは、7割が利便性や住環境の良さを理由に「今後も住み続けたい」と回答した。

 市民要望や課題を踏まえ、将来都市構造を「山辺・海辺・川辺に囲まれたコンパクトな多核連携都市」に設定。「核」は地域ごとにまとまりのある市街地で、これらを幹線道路などで連携させる。

 実現に向けた4つの地域別構想を見ると、鷲別は道道上登別室蘭線を中心に文教施設や福祉施設を充実させて商業施設立地も目指す。隣接する室蘭市と連続性のある土地利用、鉄道横断立体交差検討、景観軸となる国道36号の緑化などを盛り込んだ。

 幌別は、市役所や金融機関が集積する都市の中心にふさわしいまちづくりを進める。道道登別室蘭インター線や弁景幌別線など幹線道路沿いへの商業施設充実、桜木町の学校跡地への生活利便施設や流通業務施設立地促進などを挙げた。また、JR幌別駅自由通路を誰もが安全・安心に使える通路とするための改善を検討する。

 登別は、観光の玄関口となるJR登別駅前広場の交通結節点機能強化を図る。医療施設を生かした土地利用、道道登別停線沿線での市街地再開発や地区計画活用による商業地形成、防災力を高めるための避難経路確保などにも取り組む。

 登別温泉は、地域コミュニティ施設の整備など市民や観光客が気軽に集える交流の場づくりや、消防や救急活動、避難行動を妨げる袋小路、狭あい道路の改善を図る。国内外の観光客に向けて多言語化やピクトグラムを活用した案内図、誘導標識を設置。カルルスでは長期滞在型温泉地として温泉周辺のレクリエーション施設を充実する。

 登別・カルルスの両温泉街ではこのほか、長期的視点で無電柱化を目指す景観形成方針を示した。


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