建設業が最長40時間27分 1週間の平均所定労働

2022年01月28日 18時42分

道経済部21年度調査 育児・介護休業は半数以上整備

 道経済部がまとめた2021年度就業環境実態調査によると、建設業の1週間の平均所定労働時間は40時間27分と業種別で最長だった。週休2日制を実施する事業所は約74%で、運輸・郵便業と製造業に次いで3番目に低いが、年末年始など3日以上の連続休暇は92%と2番目に高かった。育児や介護に伴う休業制度は半数以上で整い、家庭と仕事の両立支援を進めるが、利用率は低い。こうした状況も背景にあって働き方改革の意識は高く、実施と検討中を合わせて約63%と全体平均を上回った。

 道内民間事業所を対象に21年7月1日時点の状況を調査した。調査対象5万3546事業所から1400事業所を抽出。453事業所が回答し、回答率は32.4%だった。建設業は92事業所が答えたが、質問項目によって有効回答数は異なる。業種別は13種類に分けている。

 ■所定外労働時間短縮などを推進

 建設業の状況を見ていくと、1週間の所定労働時間は約6割の事業所が40時間に設定。平均は40時間27分で、全体平均を1時間38分上回った。

 1年間1人当たりの平均所定外労働時間は44時間18分で全体平均を上回った。運輸・郵便業や学術研究専門・技術サービス業は70時間を超えているが、業種別では5番目に長い。労働時間短縮は30.4%の事業所で実施していて、その方法は約4割が所定外労働時間の短縮。健康維持増進や勤労意欲向上の効果が表れたと回答している。

 週休制の形態は、1日または1日半制が26.4%、週休2日制が73.6%という状況。週休2日を実施しない理由は、「業務・業態の都合」「関係企業や取引先との関係」がそれぞれ50%以上を占めた。

 年次有給休暇の取得日数や取得率は、全体平均をわずかに下回る状況。取得率を上げるための課題は「代替要員の確保」と「職場の雰囲気づくり」という回答が多かった。3日以上の連続休暇は、年末・年始に約96%、夏季休暇として約93%、春の大型連休に約86%の事業所が付与していた。

 ■人手不足対策で定年退職者雇用

 建設業の回答事業所で、直近1年間に採用した女性社員は採用総数の約19.9%で、全体の44.6%を大きく下回った。女性の活躍推進に取り組む事業所は34.4%で、内容としては「積極的な採用」や「人事管理・制度の見直し」などが多かった。一方、取り組んでいない事業所は65.6%で「必要性を感じない」が最も多い理由だった。女性の役員や管理職がいる事業所は69.2%で、全体平均を上回っている。

 人手は「不足」という回答が75%で、業種別で運輸・郵便業の次に高い。人手不足の具体的対策は、「未経験者・未就業者の積極的採用」と「定年の延長、定年退職者の継続雇用」がともに約46%、「正規雇用労働者の募集時賃金の引き上げ」が約45%だった。

 働き方については46.2%が問題を抱えていると答え、「休暇取得率が低い」が約25%、「残業など労働時間が長い」が約22%という状況。働き方改革は、取り組んでいる事業所と検討中を合わせて62.9%だった。具体的な取り組みは「業務体制・業務内容の見直し」が約41%、「半日単位・時間単位の年次有給休暇の付与」が約34%、「管理職による長時間労働削減、有給休暇取得の働き掛け」が約30%だった。働き方改革を進める上での課題は「従業員の意識改革」と答えた事業所が約50%に上った。


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