BP開業で周辺開発期待 広域連携し本道の魅力底上げ
北海道ボールパークFビレッジ(BP)が2023年3月に開業する北広島市。活況を見込み、新球場やJR北広島駅西口周辺では、民間主導の開発計画が持ち上がっている。一方で高齢化率3割という現実を抱え、人口減少への対応も待ったなしの状態。開業効果をまちづくりにどう反映させるのか。地域の課題と将来像について、上野正三市長に聞いた。

上野正三市長
-企業誘致が好調だ。輪厚工業団地は完売間近と聞く。
道央圏で新千歳空港、石狩・苫小牧の港に近いことが評価されている。好立地を生かし製造業を中心に呼び込みたいが、既存の工業団地は用地が不足し、新たな工業団地の造成を考えなければならない。市が主体となって整備するのが妥当なのかも含めて検討したい。
札幌と近いからこその難しさもあり、小売業の活性化は長年の課題。三井アウトレットパーク札幌北広島が開業して市内消費が上向いたが、やはり札幌市に流れてしまう。BP開業を機に、飲食店をはじめ地元の商店街がにぎわうことを期待している。
-BPが民間の開発を誘導する起爆剤になりそうだ。
JR北広島駅西口からBPの間の地権者はにぎわいを見据えていて、開業翌年以降に既存ビル建て替えが活発化する見込みだ。このエリアに加え、市役所周辺の商業施設も更新する計画があると聞いている。
BPや駅周辺の分譲マンション開発については、日本エスコン以外のデベロッパーも進出に興味を示しているという。投資や別荘用としても注目されているが、なるべく定住してくれる方の所有を希望する。市は22年度、旧青葉浄水場を民間に売却する予定だ。低層階に商業施設が入居するマンションなどの開発を促したい。
-好況ぶりがうかがえる一方、人口は減少が続く。
高齢化率33%で、最も高い北広島団地地区は48%に上る。自然減が進むが転入による社会増が伸び、人口の減り方は以前より若干落ち着いている。BPの影響で本州から転入する例も少なくない。
子育て世帯が増えている。緑ケ丘小の場合、一昨年の新1年生は25人だったが昨年は49人と倍近くなった。新しい世帯が増えて、入れ替わりが進んでいることが分かる。
-広域連携に対する考えを。
BPについては、民間企業や南空知の自治体などが加わるオール北海道ボールパーク連携協議会を発足した。それぞれが開業効果をまちづくりに生かすことが重要。観光振興の期待も高く、北広島市を起点に各地に出向いてもらえるよう旅行客を案内しなければならない。
道民の大多数がこの圏域に住んでいる。あのまちに負けないという時代ではなく、連携しながら魅力を高め、道全体を底上げすることが大事だ。
(聞き手・瀬端のぞみ)