KIECEの台頭 5市長に聞く

 道都札幌に近接する北広島、石狩、江別、千歳、恵庭の総称「KIECE」。本道の新たな成長地帯として、まちづくりの動向が注目されている。少子高齢化が進む中で地域をどう発展させるか、各市長にビジョンを尋ねた。

KIECEの台頭 5市長に聞く(3)江別市 三好昇市長

2022年02月03日 11時00分

江別駅起点にまちづくり 食品研究施設など誘致へ力

 札幌市と共に発展してきた江別市は、4つの大学、5つのJR駅を持ち、単体市としてのポテンシャルは高い。駅前再開発や企業誘致など、さらなる成長にも期待が掛かる。三好昇市長にこれからのまちづくりの方針を聞いた。

三好昇市長

 -JR駅周辺は開発余地があるように感じる。

 各駅周辺には、まだまだ伸びしろがある。まずは江別駅が起点となるだろう。これまで昼間人口を意識して企業誘致などを進めてきたが、今後は夜間人口とのバランスも考えたまちづくりを進める。

 江別駅周辺活性化の鍵は江別小跡地の利活用だ。商業、業務、住居、福祉といった機能が複合的に共存する提案などを受け付けている。江別小跡地を核としたまちづくりの方針を示せば、周辺私有地にも動きが生まれる。JRとも連携に向けた協議を進めたい。

 -人口減少時代に自治体として、どのような取り組みが必要か。

 交流人口などを考えると、周辺市町村との連携なくして市の存続はない。当市では4つの大学がある特性を生かし、空知管内への学生の地域活動参加や企業訪問などを進めている。農業、福祉などの分野で地域活動に参加し、就職に結び付いた例もある。

 ただ、卒業生の大多数は札幌市や首都圏に就職し、江別市に残るのは3%ほど。話を聞くと「江別に残りたい」という思いがあっても「就労業種が少ない」という。企業誘致に力を入れなければならないと感じる。

 -企業誘致の方針は。

 食品研究施設を誘致したい。江別市は国指定の「北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区」の一員で、市内にある北海道情報大と食の臨床試験に取り組んでいる。

 ボランティアの市民に食品を摂取してもらい、そのデータが機能性表示食品などの開発に活用されている。市民の健康増進と連携した世界的にも珍しい取り組みで「江別モデル」と言われている。

 このほかにも、デジタル関連企業やサテライトオフィスなど次世代技術に関わる企業を誘致できれば。

 -改築の検討が進む市庁舎について。

 人口減少やIT化などにより、行政サービスの在り方は大きく変化する。既に江別市には、全国のコンビニエンスストアなどで各種証明書が発行できる仕組みがあり、札幌に通勤・通学する人が書類1枚のために市役所を訪れる必要がない。

 国の今後のデジタル化の取り組みを考えると、従来の価値観だけで施設概要は決められない。その中でも求められるのは、緊急時の機能だ。市民が集まれるスペースを広く設け、災害時は対策本部と一時避難所としての役割を担う施設にしたい。

 現在は道内9市と連携し、2020年度末に終了した庁舎建設に対する地方財政支援と同等の制度創設を国に求めている。国の動きが見えれば、速やかに動き出す。(聞き手・宮崎嵩大)

 三好昇(みよし・のぼる)1949年生まれ。津別町出身。72年に明治薬科大を卒業後、道庁に入庁し、石狩支庁長などを担った。2007年に江別市長に当選し、現在4期目を迎えている。

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