地域で火山災害に備え
再挑戦で、7年目に悲願達成―。日本ジオパーク委員会は1月28日、十勝岳を核とする美瑛・上富良野エリアを日本ジオパークに認定した。道内6地域目の登録。十勝岳ジオパーク推進協議会会長である角和浩幸美瑛町長は「活動が実を結んだ。全国各地のジオパークと連携し、地域課題の解決に役立てたい」と、喜びとともに決意を語った。
ジオパークは貴重な地形や地質を持つ自然公園。成り立ちなどを知る場所として保全整備し、地域の教育や観光に生かす。道内では洞爺湖有珠山、アポイ岳、白滝、三笠、とかち鹿追がある。
美瑛・上富良野エリアでは、大正泥流を教訓に、地域全体で火山災害へ備えることなどを目標に掲げる。火山砂防の見学会など防災教育を継続し、観光面ではジオパークを活用した宿泊や体験交流、ガイドなどを実施する。
2015年度に現十勝岳ジオパーク推進協議会を設立。美瑛町と上富良野町、道や旭川開建、美瑛町建協、上富良野建協など53団体で構成する。
17年度に初申請をしたものの認定は見送りになった。改善事項としては、運営体制の強化や地域への普及拡大などが挙がった。指摘を受け、事務局を美瑛町に集約し専門員を配置。ホームページや各種イベントを通じ、住民らに活動を周知してきた。
当日は、午後3時40分ごろに日本ジオパーク委員会から電話で角和町長に認定が伝えられた。リモートで結果を待っていた副会長の斉藤繁上富良野町長も含め関係者が喜びの歓声を上げた。
日本ジオパーク委員会は活動の実績を認め、「活発な防災教育や農業に関する地域学習、持続可能な観光への取り組みなど多様な活動が始まっており、さらなる発展が期待できる」と評価した。(旭川)