えりも町は2021年3月に着工した防災無線整備で、受信機に使う半導体の納期が未定のため、完成時期を当初の3月11日から12月15日まで約9カ月延期した。工期延長に伴う工事費の増額はしない。
半導体は電子機器や装置で演算や記憶といった中心機能を担うが、新型コロナウイルスの感染拡大による電化製品の需要増加に生産が追いつかないことなどから、世界的に供給がひっ迫している。
防災無線は、現在町で運用している無線規格が22年度で使用できなくなるため、町内全域で柱設置型無線機約50基と個別受信機約1600基を更新する。末広屋電機・武田電気・坂本電建特定共同体が税抜き5億6500万円で請け負う。
主に影響があるのは柱設置型無線機の電波受信部分。半導体が納入されても無線機の製造に3カ月ほどかかることもあり、大幅な工期変更となった。
半導体不足による同町発注工事への影響は初めて。町建設水道課の久保美津之建築管財係長は「21年10、11月ごろから納入できなくなる懸念があった。暫定的に12月までの工期としたが、このまま納期の見通しが立たなければ、さらに工期が伸びる可能性もある」と危惧している。