宿泊型観光業がまん延防止で苦境 コロナ禍の道北・空知

2022年02月02日 17時20分

密回避でアウトドアは活況 感染拡大に危機感、継続支援必要

 1月27日から道内全域が新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置に入ったことに伴い、道北・空知地方の宿泊型の観光業が苦境に立たされている。夏季には5―6月、8―9月の2回にわたる緊急事態宣言で2021年度上半期(4―9月)は入り込みが伸び悩んだものの、3密を回避して楽しめるキャンプやアウトドアで観光の回復に一時明るい兆しが見えた。しかしオミクロン株が急速に拡大する現在、冬季観光の軸であるウインタースポーツに外出自粛の心理的反応は否めず、長期化するコロナ禍で継続的な観光支援策が求められている。

活況のスキー場にもコロナ禍の暗雲が立ちこめている

観光客入り込み 人流抑制で低調

 道がまとめた21年度上半期の観光客入り込み状況を見ると、上川が前年度同期比3.5%減の573万5000人、空知が3.7%増の518万1400人、留萌が3%減の83万1800人、宗谷が5.2%増の77万7100人という状況だ。

 増加に転じた地域もあるが、コロナ禍以前の19年度同期と比べると、上川が55.3%、空知が40.1%、留萌が28%、稚内が50.3%それぞれ下回っている。ワクチン接種が進み回復も期待されたが、上半期2回の緊急事態宣言で大幅に人流が抑制され低調な入り込みが続いた。

 特に宿泊滞在を中心とする観光への打撃は深刻で、層雲峡温泉を抱える上川町への入り込みはコロナ以前に比べて8割減に。層雲峡観光協会によると7割を占めていた海外や道外客がコロナ禍で激減し、団体向けの宿泊施設は休業が相次いでいるという。

キャンプブーム 道の駅も人気に

 イベント中止や感染症防止対策など苦境が続く中、アウトドアはキャンプブームの影響を受けてコロナ禍以前より客足を伸ばしているところもある。南富良野町のかなやま湖畔キャンプ場は夏季の利用客が2年前に比べて6割増の1万3324人に到達した。

 初山別村ではオートキャンプ場の利用者が好調で、21年度は6299人と2年前の倍以上に膨らんだ。経済課水産商工係の岩田誠一係長は「ひと目でキャンパーと分かるほど客足が増えた。キャンプブームとコロナの影響が相まったのでは」と分析。温泉や道の駅など周辺施設にも波及効果が出ているという。

 温泉が打撃を受ける上川町も層雲峡オートキャンプ場が倍近い利用客数となり、大雪山ツアーズが犬ぞりやラフティングを楽しめるツアーパックを販売してアウトドアコンテンツの充実に力を入れ始めている。

 道の駅へのドライブ客の入り込みも活発だ。士別市は21年度上半期に19年度同期比2・1倍の40万9300人と通常を大きく上回る入り込みを記録した。21年5月に道の駅「羊のまち侍・しべつ」が開業したためだ。

 井出俊博駅長は「全道からお客さんが来ている。札幌などの都市部へ行くより密集を避けられるというのもあって来てもらえているのでは」と、観光スタイルの変化を如実に感じている。

冬季観光に暗雲 長期化を不安視

 冬季に入ってもアウトドア系の観光は活況が続いた。カムイスキーリンクスなどを管理する大雪カムイミンタラDMOは「雪の量も多く、スキー客も回復が見込まれていた。12月時点では昨年を上回った」と話す。

 しかし、1月27日から道内全域でまん延防止重点措置が適用されたことで一転、暗雲が立ちこめる。夕張市のマウントレースイスキー場は夕張リゾートオペレーションが運営を引き継ぎ21年12月19日から2シーズンぶりの営業を再開したが、その矢先に冷や水を浴びせられた形だ。

 同スキー場の再開に向け従業員確保からコースの整備まで自ら陣頭指揮を執ってきた鄭剣豪社長は「予想以上に子どもから年配者までスキー場に来てもらっていたが、外出自粛ムードが高まれば、営業収入に影響が出る」と危機感を募らせる。

 道内は1月26日から連日2000人超えの新規感染者が続き、オミクロン株の流行は収束の兆しを見せていない。稚内市観光交流課は下半期のツアー客キャンセルが2、3割出ると予想していて、「5月の大型連休頃から観光客誘致のスタートダッシュをかけたいが、いつ収まるのか見通しが立たず、胸を張って来てほしいと言えないのが歯がゆい」と長期化を不安視している。

 国のGoToトラベル、道のどうみん割一時中止の悪影響も予想される。大雪カムイミンタラDMOの担当者は「最悪の場合は利用割引も想定しなければならないが、一時的な対策に過ぎない。営業を続けられる仕組みが必要」と訴える。

 富良野市は好調だった富良野スキー場への客足が既に鈍り始めたという。北猛俊市長は「事業者側に切れ目のない支援をしなければ気持ちが折れてしまう」と述べ、長期にわたって観光業を支援する必要性を強調している。


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