鳥インフル埋却の知識普及へ 釧路建協が学習用DVD制作

2022年02月04日 09時00分

防疫衣の装備方法なども紹介

演習時の映像に字幕や音声を加えた

 作業に携わる人は二重の防疫衣や手袋などで肌や衣服を外気から遮断する。埋却時は掘削面や表土に消毒用の消石灰を何度もまく―。釧路建設業協会は、高病原性鳥インフルエンザの埋却作業に関する学習用DVDを150枚制作した。道に30枚を寄贈したほか、会員企業へも配布を開始。北海道建設業協会傘下の地方建協などへも贈呈する。

 釧路建協は2017年7月に釧路総合局と家畜伝染病発生時の埋却等業務に関する協定を締結。これに基づき、昨年10月14日には市内で同局や釧路家畜保健衛生所などと初の合同演習に取り組んだ。

 コロナ禍の上に現地が狭いこともあり、建設業からは埋却作業を担当する村井建設と下請けの千倉工業のみが参加。このときの様子を映像に残し、学習用DVDに加工して配布することで、知識の普及と定着を図る。

 映像は約20分。当日の様子は約8分で、残りは作業に携わる場合に必須となる防疫衣など装備の着脱方法解説に充てた。

 埋却溝は試掘して湧水がないことを確かめてから掘削。底面や法面には消毒効果のある消石灰を散布し、ブルーシートを広げる。そこに鳥の死骸やふん、卵などを入れたフレコンバッグを並べ、再び消石灰を散布してからブルーシートで全体をくるみ、土砂を埋め戻す。埋め戻し後は表土やその周囲にも消石灰をまき、3年間掘削禁止の看板を立てて完了となる。

 作業に携わる人間は、防疫衣とゴム手袋を二重に着用するほか、キャップ、マスク、ゴーグル、長靴で肌や衣服を完全に防護する必要がある。着用時は袖口や裾の隙間からウイルスが入らないよう、布テープで目張りをする。

 作業終了後は全身に消毒薬の噴霧を受けてから目張りを剥がし、ゴーグルと外側の手袋を外した後、表面に触れないようにしながら慎重に防疫衣などを脱いでいく。

 これら一連の作業や着脱の実演に解説の字幕や音声を付け、ポイントを分かりやすく伝えることを心掛けた。

 制作に携わった大道貞徳専務理事は「実際に出動する場合は現地でも役所の人が説明してくれるだろうが、事前に会社で見ておくことで理解度が向上する。このDVDを役立ててほしい」と期待している。


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