5日から6日にかけての記録的な降雪で、札幌圏は深刻な交通まひの状態に陥った。JR北海道は終日運転を見合わせ、バスは軒並み運休。幹線道路は各所で交通渋滞が発生し、生活道路ではスタックして道をふさぐ車が続出した。6日夜から新雪除雪を進めた石狩管内の除雪業者は、引き続き交通網の正常化に向けて排雪業務に取り掛かっている。(関連記事2、10面に)
札幌管区気象台によると、積雪深は7日午前9時現在で過去5年平均より57cm高い118cmを記録。札幌市10区の全てで110cmを超え、北区では169cmに達した。JRは除雪作業に時間を要するため、8日も引き続き、札幌圏の列車は始発から運転を見合わせる方針だ。
札幌市は6日夜から幹線道路や生活道路の新雪除雪を進め、今後は主要な幹線やバス路線、通学路を最優先に拡幅除雪や排雪に着手する。生活道路は緊急的な交差点排雪などを実施するとともに、パートナーシップ排雪は相当な遅れが見込まれることから全ての申請団体で排雪量を通常の7割程度に抑えることにした。
市内で稼働中の建設現場の担当者に対し、1月に発生した東山小改築での仮設上屋崩壊のような事故がないよう、破損物の点検や除排雪の徹底などを注意喚起している。
江別市は、土木事務所観測点での積雪深が7日午前9時現在で172cmとなり、歴代1位だった12年の167cmを超過した。
江別市道の新雪除雪は7日の朝方までに完了。21年度の除排雪事業計画では生活道路18回、幹線道路24回と想定しているが、既に市内を13回一斉除雪している。部分的な路面整正などを含めると例年をやや上回るペースとなっている。
札幌開建は札幌市内・近郊に集中して降り積もった大雪に対し、夜間の新雪除雪で対応。除雪ステーションに詰めている除雪業者が滞りなく作業を進め、車両の安全な走行に必要な除雪を済ませた。
しかし1月中旬からの降雪以来、連日の計画的な拡幅排雪によって処理してきた道路脇の雪山は再び積み上がり道路空間を圧迫し、片側1車線を確保するのが精いっぱいの路線もある。札幌開建は排雪計画の変更を検討し、一度排雪を済ませた路線で再度排雪するかを協議している。
札幌市中心部からそれぞれ江別方面に進む国道12号と国道275号を担当する機械開発北旺(本社・札幌)は積雪が30cm以上に達したため、6日は通常より3時間ほど前倒しした午後7時ごろから開始。オペレーターと助手の2人体制を原則としているが、ハンドルなどの消毒や窓をできる限り開けて換気するなど感染症対策を万全にしながら作業を進めた。
7日夜からは排雪業務に取り掛かった。ダンプトラックは道東や道北からの応援を加えて必要台数を確保しているものの、今シーズンは例年と比べると確保が難しいという。相次ぐ大雪によって排雪業務が集中していることが要因の一つと思われる。
札幌圏でJRの運休などが起きていることを受け、道は7日午後に北海道雪害対策連絡部会議を開催。札幌管区気象台が大雪の降った要因など気象情報を説明したほか、JRや道道での交通障害の発生状況について情報共有を図った。