おとなの養生訓

おとなの養生訓 第224回「軽症?」 症状自体はつらいもの

2022年02月10日 15時00分

 病気、けがの程度を表す言葉に、軽症、中等症、重症という言葉があります。では具体的に重症というのは何だろうということになります。かつては3週間以上の入院加療が必要な状態とされていました。しかし、慢性に進む生活習慣病など入院が長期になっても、必ずしも「重い」とは感じられない状態も多く、重症の定義は変更されました。すなわち、その症状状態が生命の危機となる可能性があると判断されたものを重症とするということです。したがって、入院の期間は関係ありません。中等症は生命の危機はないが入院を要するものとされます。

 これを新型コロナ感染症に当てはめてみます。コロナ感染における生命の危機とは、肺炎となり呼吸困難となって、集中治療室で厳重な監視の下、人工呼吸器を装着しなければならない状態ということになり、これを重症と扱います。

 中等症は生命の危機につながる危険性のある肺炎が確認された場合となります。症状としては呼吸困難になりますが、コロナ感染の場合、肺炎があるのに呼吸困難を自覚しない例も多いのですが、肺炎があれば中等症です。

 したがって、コロナ感染症の軽症は、感染がPCR検査で証明されて、発熱などの症状はあるが、肺炎になっていない状態となります。現在広まっているオミクロン株は、軽症者が多いと指摘されていますが、もちろん、中等症や重症に進む危険性は常にはらんでいます。

 さらに、軽症といっても、その症状はかなり強いものになります。高熱が続いて食欲もなく、ベッドから起き上がれなくなる人もいます。咳が止まらず、夜眠ることができなくなる人もいます。のどの痛みが非常に強くて、食べ物がのどを通らず、消耗してしまう人もいます。

 軽症という定義には入っていても、症状自体は相当につらいものなのです。軽症の診断を受けて、宿泊療養や自宅療養になっている人でも、これらの強い症状にさいなまれて、「これのどこが軽症なんだ!」と感じている人も多いと聞きます。

 やはり、オミクロン株は重症化しにくいといっても、十分に恐るべき感染症であるといえます。現在、北海道でも感染者の数が急増して、保健所や救急体制がひっ迫状態となっています。寒い日々ですが、換気を徹底して、マスク、手洗い、手指消毒を励行し、感染拡大をみんなで防ぎましょう。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


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