建設費に23億円試算
雄武町は600kWの発電機を持つ集中型バイオガスプラントを北雄武地区に新設する計画だ。町のバイオマス産業都市構想によると、設立予定の仮称・雄武町バイオガス発電所が事業主体となり、2022年度に調査・基本設計などに着手。23年度の着工、26年度の本格稼働、売電開始を目指す。建設費は22億9816万1000円を見込んでいる。
町は30年度までを期間とする同構想に、家畜ふん尿を原料とする集中型バイオガスプラント1基と、分散貯留槽の整備計画を盛り込んでいる。地域の特色を生かしたバイオマスによる産業振興を軸としたまちづくりに取り組む考えだ。
北雄武2の1に計画する集中型バイオガスプラントは、200kWの発電機3基や原料槽、発酵槽、貯留槽などを備え、搾乳牛換算で2245頭規模の施設。町内酪農家15戸の家畜ふん尿を原料とし、1日当たり146tの原料調達を予定する。
酪農家が広範囲に点在し、消化液を散布する際にバイオガスプラントから酪農家の農地までの運搬距離に課題があるため、町内5カ所に分散貯留槽を設ける。
年間5万3299tの原料から生産が見込まれるバイオガスは年間238万3419m³で、年間505万2849kW時の発電を可能とする。
発電量の1割はバイオガスプラントで自家消費するため、残りの9割に当たる454万7564kW時を、FIT制度を活用して24年度の設立を目指す地域電力会社に売電する考えだ。
町は21年12月、オホーツク管内で5カ所目となる農林水産省のバイオマス産業都市に認定された。構想期間内の経済波及効果は約27億円、就業誘発人数は321人をそれぞれ見込んでいる。