環境関連機器の製造・販売を手掛けるエルコム(本社・札幌)は8日、硬質プラスチック専用の燃料化システムを長崎県対馬市に納入した。同社は昨年2月にも発泡スチロール製ブイの燃料化システムを同市に納入している。今回の納入で、漂着ごみの半分を占める漂着プラの全量を資源化できるようになったという。近年課題視されている海洋マイクロプラスチックの抑制を目指す。
同社が提供する廃プラ燃料化システム「e―PEP」のうち破砕機を納入。砂や貝殻などの不純物を取り除き、硬質プラごみを燃料チップに加工する。コンベヤー搬送で投入、排出する半自動化ラインになっている。チップは市内の温浴施設などで使われる予定だ。
対馬海ごみ情報センターによると、市沿岸には暖流や季節風の影響で多くのごみが漂着しやすく、2019年度には5万8000m³のごみが漂着したと推定される。漁業用ブイなどプラスチック類も多く含まれ、再び流出すればマイクロプラスチックとなって環境に悪影響を与えるため、処理が課題となっていた。