帯広市の空室対策 入居者決まり手応え
帯広市の市営住宅で、エレベーターがない中層住宅上層階の空室が課題となっている。そこで昨秋、若年世代をターゲットに老朽化した1戸を職員自らで試験的に現代風にリフォーム。このほど入居者が決まった。市は空室対策として一定の手応えを感じたほか、高齢化が進むコミュニティーの活性化や市住運営に対する職員の意識向上も期待している。
エレベーターのない市住の4、5階住戸は、6団地30棟に270戸ある。1月末時点の入居率は78.1%で、市住全体の入居率(89.9%)を大きく下回る。また、全入居者に占める60歳以上の割合は47.1%に上り、団地管理やコミュニティー維持も課題だ。
.jpg)
職員自ら改修に取り組み、市営住宅への意識が高まった
市は上層階の空室に若年世代を呼び込もうと、柏林台南町6丁目にある柏林台南町団地(RC造、5階、30戸、1985年建設)の一室を試験的に改修。内装の劣化もあり、8年間空室となっていた。
住宅営繕課の若手職員が昨秋、日常業務の合間に約1カ月かけてリフォーム。床の張り替えや白を基調とした壁の塗装などをしたほか、石炭庫には棚を設置し収納として使えるようにした。3LDKの間取りは、余裕のある2LDKに変えた。
11月からの定期募集し、2月に母子家庭の入居が決定。子ども2人の通学区域の関係で柏林台の市住を探していた30代の母親は「昇降が大変そうで悩んだが、他の4、5階の部屋より内装などが魅力的だった。子ども達は個性のある自分の部屋が持てて、とても喜んでいる」と話す。
.jpg)
現代風にリフォームし明るい雰囲気になった
住宅営繕課は「職員が現場の工程を知る経験になった」と回顧。「応募状況が気になるなど自ら手掛けた住宅に愛着も湧き、次回のアイデアを誘発する効果もあるのでは」と職員の意識向上にもつながったとしている。