太陽光で充電
トラックに搭載する保冷用ボックスの充電に、再生可能エネルギーを使用する実証実験が名寄市内で始まる。名寄市など6団体は16日、実験に関わる協議会を発足。ヤマト運輸名寄営業所に太陽光パネルを設置し、夏から開始する。市では物流拠点の構築を目指しており、輸送に必要な環境を整備できるか検証していく考え。脱炭素化推進も視野に入れている。

会員が集まり取り組みを共有した
実証実験に関わるのは名寄市と名寄商工会議所、ヤマト運輸、北星信用金庫、再生エネルギー事業を手掛けるJAG国際エナジー、地元事業者などで構成する道北圏域ロジスティクス総合研究協議会の6団体。16日に駅前交流プラザよろーなで、再生可能エネルギーによるマチの活力アップ事業実証試験実施協議会の設立総会を開いた。
北星信金は昨年、名寄市に企業版ふるさと納税として1000万円を寄付。この寄付金を活用して実験を進める。
加藤剛士市長は「昨年12月で王子マテリア名寄工場は撤退したが、前向きに新しい事業に取り組みたい」とし、跡地活用策として①物流・防災拠点②再生エネルギー③データセンターの3事業の具現化を目指していると報告。市が2021年11月に出したゼロカーボンシティ宣言にも触れ、「実証実験はいろいろな可能性を見いだせる。物流拠点の整備も含め、地域振興に取り組みたい」と意欲を示した。
実証実験では、ヤマト運輸名寄営業所に240㍗の太陽光パネル48枚を設置する。保冷機能を持つクールボックスを1日に最大21台充電できる見込み。実証実験を通して、季節や天候による充電量の変化を検証し、実用性を確かめていく。半導体不足により納入時期が未確定だが、設備を整備し次第、夏から実験を始めて23年8月に終える予定だ。
実証実験に関わる協議会の会長は、道北圏域ロジスティクス総合研究協議会の松下賢二会長が務める。松下会長は「市内外に取り組みを周知していきたい」と述べた。(旭川)
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