診断結果基に可能性検討
森町は老朽化や耐震性不足が指摘されている尾白内小について、2022年度、耐震補強計画の立案を進める。計画立案と工事費算定を含めた耐震診断業務を16日に一般競争公告。3月11日の入札を予定する。ただ、津波浸水エリアに立地するため、調査結果を耐震補強か移転新築といった方向性の検討材料にする意向だ。
尾白内948にある同小は、1965年完成の校舎がRC造、平屋、延べ2106m²、69年完成の屋体がS造、平屋、延べ562m²の規模となっている。
町学校施設等長寿命化計画によると、健全度は校舎が100点満点中37点、屋体が24点。耐震性の指標となるIs値は資料がなく正確な数値は不明だが、学校施設の基準の0・7を下回っている可能性が高い。
町は20年度当初予算案に耐震診断費5000万円を計上。しかし、議員から津波浸水エリア外への移転新築を検討する必要性が指摘され、議会は診断費を削除する修正動議を可決した。あらためて21年度当初予算案に同額を計上したものの、議員の主張は変わらず、修正動議の可決を経て削除した。
一方、町は調査を踏まえ科学的に検証する姿勢を保っていて、3500万円に減額した上で、22年1月の町議会に補正予算案を提出。反対意見はあったが議会は補正を原案通り可決し、今回の一般競争公告に至った。
同議会で町教委の萩野友章学校教育課長は、耐震診断は基本的に耐震補強計画を前提としていることを報告。その上で「診断結果を基にあらゆる可能性を検討したい」と改築の可能性も示唆した。
岡嶋康輔町長は5000万円から3500万円に減額した理由に関し、議員の意見を基に業務内容を精査したことを説明。「耐震診断が必要との考えは今後も変わることはない」と強調した。
耐震診断業務は、道内に本店を置く町の建築設計有資格者が対象。履行期間は23年2月24日までで、診断のほか、耐震補強計画を2案以上提示することを求める。