道運輸局とバス事業者7社
アフターコロナの観光促進策を探る―。北海道運輸局と道東のバス事業者7社は、公共交通機関を利用する観光客向けの特設ウェブサイト「ひがし北海道交通ネットワーク」の実証事業を進めている。道東エリアの空港連絡バスや観光利用の多い路線バス情報をサイト上に集約。個人旅行者の情報収集を手助けすることで、道東エリアでの周遊範囲拡大を狙う。
道運輸局は2018―19年、空港間周遊を含めた空港二次交通の活性化のためのアンケートを実施した。調査対象は道外または海外から道東を訪れた旅行客。約3割は公共交通機関のみで移動していたことが分かった。
公共交通機関利用者の6割以上が自動車免許の保有率が低い若い世代であることに着目。空港から観光地までスムーズに移動できるよう、特設サイトにバス事業者の情報をまとめた。道東観光の計画に役立つ情報発信を目指す。
サイト運営はWILLER(本社・大阪市)が担当。各バス会社のチケット予約や路線確認などを一括でできる。
道外からの個人旅行者でも無理のない計画を立てやすいよう複数のモデルコースを紹介。WILLER経由で事前にバスのチケット予約と購入をできるようにし、旅先での利便性を高めた。
実証事業は1月1日から開始。スタート直後はアクセス数が順調に伸び、特設サイト経由で予約が入った。しかし、首都圏などでまん延防止等重点措置が適応されてからは伸び悩む。道運輸局の担当者は「道内では初の試み。いずれは道内全体に広がるような事業にできれば」と話す。
北海道拓殖バス(本社・音更)の担当者は「すでに特設サイト経由でチケット購入がある」と喜ぶ。「十勝とたんちょう釧路空港を結ぶスイーツライナーの知名度向上につながれば」と期待を寄せた。