23年4月1日の供用目指す
津別町は2022年度、木質バイオマスセンターを新築する。当初予算案に概算事業費4億5988万8000円を計上。工事費は3億8484万6000円となる。23年4月1日の供用開始を目指し、工事は主体、設備などを一括して5月に指名通知、6月までに入札する予定だ。
町は07年度にバイオマスタウン構想を立ち上げ、09年度から木質ペレット製造施設を稼働。ペレットボイラを新庁舎など公共施設に導入し、町内の普及に取り組んできた。
木質ペレットよりも加工が容易な木質チップを、林地の残材などから生産することで地域内の資源循環を加速させる「地域内エコシステム」モデルを構築する。木質バイオマスセンターは構築に向けた柱の一つとなる。
同センターは、貯蔵棟とトラックスケール棟、屋外の貯木場、積み込みスロープで構成。木質ペレット製造施設に隣接し原木置き場となっている町有地(達美213の1)6816m²に公設民営で建設する。
貯蔵棟は製造設備を有し、規模はS造、平屋、延べ467m²。可動式のチッパー(木材破砕機)を1基配備する。木材はチッパーで砕き、ホッパーにためられた後、コンベヤーで一定量がふるい機に送り出され各規格のヤードに分類される。チッパーとホッパーが入る作業室、ふるい機を置く機械室、ヤード5室、事務室を配置。機械室にはボイラ室とチップサイロの余地を確保する。
トラックスケール棟は、S造、平屋、延べ99m²の規模。貯木場を含む敷地内は、チッパーの負担を軽減するため土砂を避け、全体を整地してアスファルト舗装する。
森のエネルギー研究所が20年度に基本設計、21年度に実施設計を進めた。
道の補助を活用する方針。工事費は地域バイオマス利活用促進事業、チッパー機購入は林業・木材産業構造改革事業を充てる予定だ。備品購入費はチッパーと関連設備で7504万2000円と見積もる。
交付決定後、早々に発注に取り掛かる。決定時期は5月の大型連休明け、発注方法は主体、電気、機械、外構を一括した指名競争入札を想定。6月の町議会での議決をを経て、本契約する意向だ。指定管理者は、秋に公募して冬に決定する見通し。
木質チップの供給先の第1弾として、22年度に木材工芸館キノスへの木質バイオマスボイラ設置を予定している。第2弾には、まちなか再生事業で整備する複合商業施設を見込んでいる。