普通建設事業費227.7億円、骨格編成の自治体多く18%減
胆振管内11市町の2022年度予算案が出そろった。総額は前年度当初比0.6%増の3708億9152万1000円。一般会計は0.7%増の2176億8954万6000円となったが、同会計に占める普通建設事業費は18%減の227億7295万5000円にとどまった。首長選挙を控えた骨格編成が多く、政策的事業の計上を保留していることや、大型事業が完了した市町がいくつかあったため、普通建設事業費は落ち込んだ。
苫小牧、豊浦、洞爺湖、安平、むかわの5市町が骨格編成とした。
普通建設事業費を見ると、登別、伊達、壮瞥、白老、安平の5市町が伸びた。伊達市は伊達小改築に着工するほか、登別市は消防本部庁舎移転新築の本体に着工する計画だ。安平町は継続事業での金額の伸びが大きかった。
一方、室蘭市や苫小牧市は減少率が大きかった。室蘭市は環境科学館・図書館や総合体育館、苫小牧市は21年度に第2学校給食共同調理場がそれぞれ完了したことが要因となった。
室蘭市 市住整備に11億8000万円を計上。白鳥台L団地個別改善の2棟目に着工する。東町たいわ・汐見団地建て替えは現住戸46KR2号棟を解体し、5号棟の23年度着工に備える。公設地方卸売市場は東町の新施設が完成するため、日の出町の現施設解体撤去などに4億8900万円を投じる。
苫小牧市 7月に市長選を控える骨格編成だが、ほぼフル予算となっている。普通建設事業費は17.8%減の79億6628万2000円。市営住宅日新団地新12号棟建設に着工するほか、樽前小改築やウトナイ小校舎増築に向けた実施設計などに取り組む。
登別市 本体に着工する消防本部庁舎移転新築に債務負担行為を含め17億円余りを措置した。千代の台団地建て替えは4億6000万円を充て、最終棟となる子育て世帯向け住宅を建設する。旧陸上競技場に移転する市役所本庁舎は基本・実施設計に入り、ZEBReady水準確保へ地熱調査などを予定する。
伊達市 伊達小校舎改築着工へ10億5000万円を計上。社会福祉法人くさぶえの保育所移転新築に2億円、旧大滝中を改修するNPO法人大滝まちづくりサポートの体験型施設整備に1億9000万円を補助する。史跡北黄金貝塚公園駐車場拡張、有珠生活館改築も盛った。市役所耐震化は建て替えを視野に検討に入る。
豊浦町 1月に町長選があり骨格編成。簡易水道の大岸地区配水管更新などの継続事業や豊浦小プール改修費などを計上した。主要事業は4月の肉付け補正予算に盛り込む見通しだ。
壮瞥町 壮瞥中移転建て替えへ基本・実施設計を進める。上立香第2線の道道昇格に向けた区域測量調査を計画。弁景温泉高効率化改修実施設計、農業ICT化を目指した情報通信環境整備計画策定を継続する。
白老町 一般会計は107億円で、過去10年で3番目に大きな規模となった。北吉原中通り改修や子ども発達支援センター大規模改修などを盛り込んだ。国民健康保険病院改築は、23年度に実施設計や医師住宅解体などに取り組む。
厚真町 普通建設事業費は北部地域防災拠点施設整備の完了などがあり、大きく減少した。22年度はゼロカーボン推進に63万6000円を措置。「ゼロカーボン厚真」の宣言に向けた準備を進める。
洞爺湖町 4月10日に町長選を控えた骨格編成。下水道事業で虻田下水終末処理場、とうやクリーナップセンター、虻田中継ポンプ場、洞爺湖温泉ポンプ場の改修に着工する。
安平町 4月に町長選を控えるため骨格編成だが、10月の完成を目指す義務教育学校(早来小・中)整備の継続費用を盛り込んでいるため、普通建設事業費は75.2%増の25億5289万円となった。新規で安平地区の地区別計画策定などに取り組む。
むかわ町 3月に町長選を控え骨格編成。政策的経費の計上を原則保留したため、普通建設事業費は48.6%減の7億5692万2000円となった。継続のししゃもふ化場整備を盛り込んだ。政策的事業は6月の定例町議会に提案する予定だ。