「文化的な観光ツール、フットパス楽しんで」
道環境生活部はこのほど、北海道地域文化選奨の受賞者を公表した。日高管内からは、平取町で活動するイザベラ・バードの道を辿る会平取部会が特別賞を受賞。同会はバードが歩いた道をめぐるフットパスルートなどを策定している。平村徹郎事務局長(平村建設社長)は「文化的な観光ツールとして、注目してもらえれば」と話している。
同選奨は地域に根差しユニークで、地域文化振興に貢献している活動などを顕彰する。
19世紀に英国で生まれたバードは1878年に日本に渡り、東京や神戸、大阪、北海道などを旅した。土地ごとの植生や生活風景をスケッチと文章で記録。中でも平取は旅の終着地であり、バードがアイヌの首長と生活した数日間の記述などが当時を知る資料として貴重なものとなっている。
辿る会は、バードの足跡をエコツーリズム化し、地域活性につなげようと2007年5月21日に発足。平取のほか七飯、室蘭、白老に部会を置く。
当初は、北海道環境財団の理事長を務めた故辻井達一氏や現平取部会長の柳秀雄氏を中心に、調査や解説板の設置などを進めた。
平村事務局長は、11年ごろに会に合流。建設業者のノウハウを生かし、サインポールや看板の設置に協力した。
部会では、会員らの研究を基に日高町富川地区から平取町義経神社までの約15㌔にわたるフットパスルートを策定。ルートをウェブ上で解説と画像付きでたどれるマップも公開し、多くの人が手軽に楽しめるよう取り組んでいる。
受賞に当たり平村事務局長は「文化的な観光ツールとして、注目してもらえれば。バードが歩いた当時と町並みは変わっている。比較しながら歩くことで、その変化を楽しんでほしい」と期待する。
今後は、バードの足跡を生かしたまちづくりを提案できないか模索。アイヌの家屋「チセ」を復元するなどし、市街地活性化を見込む。