浄水施設整備など35億円
厚岸町は2022年度以降10カ年の水道関連整備に建設改良費35億5585万6000円を試算している。老朽送配水管やポンプ場などの機器更新に加え、新水源の活用に伴う新浄水施設整備などに取り組む計画。27―31年度に新浄水施設などの整備を想定し、事業費は20億6000万円を見込んでいる。
水道事業経営戦略(22―31年度)の素案に盛り込んだ。安全で安心な水を安定的かつ持続的に供給するため、自然災害に強い水道施設の更新を着実に推進。効率的な経営と料金見直しで、健全な水道事業経営を目指す。安全、強靱、持続の3項目を掲げ、施策を展開する。
安全では、原水水質の保全のため水源河川流域の環境保全に努める。水道施設強靱化の観点から25年度までをめどに、大別地区での新たな地下水源調査を続ける。
現在、ホマカイ川を水源として厚岸浄水場を運用しているが、上流部は酪農・山林地帯で強い雨や融雪期に水質が悪化する。天候などの影響を受けない新たな地下水源を確保するため、21年度から地下水源の調査をしている。
また厚岸浄水場は建設から47年が経過し、老朽化が進んでいるほか、津波浸水域に位置することが課題の一つ。耐震化などの改修も視野に入れつつ、水源調査で新たな水源が見つかれば、新規浄水施設の整備に変更する計画だ。
持続では、基幹管路耐震化更新を推進。配水管の耐震化率を現状の0%から31年度までに22.5%に高める。基幹管路全体の耐震化率は1.7%だが、18.7%を目指して計画的に更新する。
人口減少で使用料収入は年々減っていく見込み。経営戦略は5カ年ごとに見直し、持続的な水道事業を展開するための方策を検討する。