室蘭市は、フェリー航路休止に伴い閉鎖している室蘭港フェリー埠頭ターミナルビルの施設転用を、隣接する駐車場を含めて検討する。中央地区のにぎわい創出に向けた利活用を目指す。10日の定例市議会一般質問で白熊良平副市長らが説明。質問した砂田尚子氏(公明)は、道の駅みたら室蘭をビル内に移転することを提案した。
砂田氏はフェリー埠頭ターミナルビルの今後の活用策について質問。白熊副市長と佐藤肇港湾部長が答弁した。
佐藤港湾部長は「現時点でめどが立っていない。当面、必要最小限の維持管理をするが、にぎわいエリアに資する活用、公共施設も含む多用途への転用も視野に入れ、検討したい」と述べた。
砂田氏は、祝津埠頭背後地で洋上風力関連の実証事業を予定する大成建設に市が土地を貸し付ける予定であることを受け、「道の駅みたら室蘭をターミナルビルに移転し、道の駅の施設を大成建設に活用してもらってはどうか」と提案した。
白熊副市長は「ターミナルビルは周辺の岸壁と合わせ、港湾施設として経済活動をするのが効果的だ。まずはこれらの利用を第一に考えている」と答弁。提案について、中央地区の回遊性向上やにぎわいづくりのアイデアになりうるとした一方、「道の駅は臨海公園と一体として機能している。洋上風力関連事業者の今後の展開・意向もある。アイデアも含め、改修などにかかる費用を考慮して検討したい」とした。
入江町1の50にある室蘭港フェリー埠頭ターミナルビル(S造、3階、延べ3820m²)は1994年の建設で、2017年に改修。隣接して広さ1万9000m²の駐車場がある。室蘭―八戸間のフェリー航路を川崎近海汽船が2月1日に休止したことを受け、同日から閉鎖している。
P 閉鎖中の室蘭港フェリー埠頭ターミナルビル