コロナ禍の影響も
旭川市は、2021年度の市発注工事における労働者賃金の実態調査結果をまとめた。27職種の加重平均は1万3682円で、前年度調査より377円、2.7%減少した。ヒアリングではコロナ禍による受注減少を挙げる業者もいて、受注環境や経済の悪化が影響している可能性がある。
市は適正な労働環境の確保に向けた独自調査を19年度から実施。今回は21年4月1日から9月30日までの間に工期が重なる、設計金額500万円以上の工事を対象に調査した。
回答のあった182社中、対象労働者のいた143社、594人の労働者の賃金を集計。前年度調査より46社、労働者は217人下回った。
回答のあった27職種中、単価が上昇したのは特殊作業員など10職種にとどまり、全体平均では減少となった。ただし、全職種時給換算で1200円以上、最も低い職種でも最低賃金の861円以上は確保されている。
道の21年度設計労務単価(25職種)との比較では、市の調査結果が29.6%下回る状況。民間工事を含むため、大きく差が出た。
賃金を据え置き、あるいは引き下げた業者からの意見では、コロナ禍による受注の減少、消毒など感染症対策による諸経費の圧迫を上げる声があった。賃金を上げた業者には設計労務単価、実勢価格の上昇を理由にするところもあり、労務単価引き上げの効用もうかがえる。
週休2日制実施状況に関わるアンケート(回答182社)では、4週8休に取り組むのが31.3%の57社、4週7休と4週6休が40.7%の74社、4週5休以下が28%の51社だった。元請けのうち4週8休に取り組むのは39.1%に当たる34社なのに対し、下請けでは24.2%の23社にとどまっていて、下請けの休日確保も課題となっている。