札幌市建設局みどりの推進部は仮称・市森林基本方針の策定に向け、4月に学識経験者らで構成する有識者会議を設置する。12月に緑の審議会と市議会に方針案を報告し、パブリックコメントを経て2022年度の方針策定を目指す。持続可能な森林整備や道産木材利用、林業担い手の確保・育成、登山道の維持管理などについて検討する。
23日に開いた札幌市緑の審議会で、市の担当者が明らかにした。
市有林約2000ha、私有林約1万3000haの計1万5000haを対象とし、方針の期間はおおむね10年間を想定する。
学識経験者や林野庁系職員6人で構成する有識者会議で策定作業を本格化させる。主な検討内容として、①森林の多面的機能の発揮と持続可能な森林整備②林業担い手育成・確保③道産木材利用と普及啓発④自然歩道、市民の森―の4項目を見込む。
①の森林整備で森林整備施策の展開や広葉樹人工林施業挑戦の妥当性とリスク、②の担い手育成・確保で安定的な事業発注と異業種からの参入などを検討。③の道産木材利用と普及啓発では公共施設・民間施設の道産木材利用促進の視点で議論を進める。④の自然歩道、市民の森で、施設老朽化などの課題を抱える登山道の維持管理や市民の森の在り方について検討する予定だ。
有識者会議は4回程度開催し、基本方針案を固める。策定後に市有林である白旗山都市環境林の利活用計画策定を進める見通しだ。