19地域が減少 札幌5%減の97.5万m³
北海道生コンクリート工業組合は、2022年度の道内生コン需要量を301万7000m³と想定する。統計を取り始めてから過去最低の水準。全道29地域のうち19地域が前年度より下回ると考え、横ばいと増加を予想するのはそれぞれ5地域だった。最大市場の札幌は前年度より5%少ない97万5000m³をみている。
各地の協同組合が打ち出した22年度需要見通しを集計した。官公需は122万3000m³で8%減、民需は179万4000m³で6%減を見込む。
前年度より上回ると予想したのは西胆振(伊達や洞爺湖)、北根室(標津や羅臼)、十勝、富良野、宗谷の5地域。19地域が下回ると予想し、消波ブロックやトンネル工事などで旺盛だった留萌は、反動減から35%近い落ち込みを想定する。
札幌は、員外工場を含む市場全体で97万5000m³を想定する。このうち民需は88万3000m³で2%減をみている。
21年度は、市内中心部や新さっぽろ駅周辺地区の再開発、マンション建設で夏まで堅調に推移したが、10月から歯止めがかかり、22年2月は大雪の影響などが出荷に影響した。
旭川は横ばいの11万m³を想定する。21年度は千代田小改築やヘルスケアコンドミニアム新築、弁釜旭川工場移転新築などがあった。22年度はロジェの宮下通11丁目MS新築や旭川市の総合庁舎改築、東神楽町の複合施設整備など継続案件に加え、大和ハウス工業の分譲タワーマンションなどを抱える。
富良野は19%増の7万m³を予想する。21年度は市庁舎やJAふらのタマネギ選別施設新設など建築向けが活況で、22年度は下御料地区のリゾート開発や十勝岳火山噴火泥流対策の砂防事業などに期待が集まる。
北海道新幹線札幌延伸に関連したトンネル工事を抱える小樽は12万3000m³で3%減を予想し、北渡島(長万部や八雲)は19万1000m³で0.5%の微減をみている。
21年4月から22年2月までの道内出荷量は317万6600m³で前年同期比2%減だった。例年3月は15万m³前後出るため、道工組は「最終的に330万m³は超え、過去最低の320万m³は回避できそう」とみる。一方で22年度は札幌を中心に出荷の端境期に当たり、「引き続き厳しさは変わらない」と分析する。
北海道建設新聞2022年3月28日付3面には、全道29地域別の需要見通しをまとめた表を掲載しています。閲覧は新聞本紙をご覧ください。