木の香り広がる空間に
道庁本庁舎ロビーを、木の香り広がる空間にリニューアルした。カラマツやトドマツなど道産木材を加工したベンチやテーブルを設置。新型コロナウイルス感染症の影響で世界的に木材価格の上昇が続く「ウッドショック」を背景に、外材からの代替として道産木材の需要が高まっている。ロビーの木質化で道産木材のPRを図り、利用拡大につなげる。
本庁舎玄関ホールの中央柱や玄関入り口の東西風除室、エレベーターホールなどが「北海道らしさ」を感じさせる木質空間に生まれ変わった。
昨年から2工区に分けて進めてきた。1工区は玄関ホール吹き抜けの2本の柱にカラマツ製ルーバーをらせん状にあしらい、エレベーター8機の入り口をカラマツなどの異なる樹種で飾り付けた。
2工区は、道政広報コーナーにモバイルパビリオン、ドトールコーヒーの店舗横休憩スペースには木立を模したブースを設置。ベンチは新型コロナウイルス感染症対策として対面にならないように工夫した。
道は2021年10月、道産材を使用した建築物を登録して道産材の魅力発信と認知度向上を図る「HOKKAIDO WOOD BUILDING」を開始。建築物の木造化、木質化を推進することで道産材の普及促進、利用拡大を狙う。
ウッドショックによって道産材の需要が拡大する一方、道産材も価格上昇や品薄の状態が生じている。ロシア軍のウクライナ侵攻で第2次ウッドショックを警戒する必要もあり、木材の需給バランスは大きく変化している。昨今の道産材需要は一過性との心配も根強く、製材工場は設備投資に踏み切れない現状がある。道産材の需要が途切れないよう、安定供給体制の確立が求められる。