ジャパンブルーカーボンプロジェクト(本社・東京、吉川京二社長)は25日、釧路市交流プラザさいわいで、9日から開始した藻場再生による二酸化炭素削減を目指す実証実験に関する記者会見を開いた。雑海藻駆除の効果検証を2025年5月まで実施する予定で、二酸化炭素吸収量の変化などを継続的に計測する。
同社は21年9月に北海道ブルーカーボンプロジェクトを設立。日本全国やグローバルな活動展開を視野に入れ、同12月に現在の社名に改めた。
釧路西港で9日に開始した実証実験は、天然昆布漁場の雑海藻を駆除することで収穫を増やす手法を活用し、駆除区と未駆除の対照区を3カ所設け、繁茂状況を比較する。また自然発生に頼らない海草のスガモを植生し、繁茂状況を確認する。
これら2つの実験を3カ月ごとに観察・計測し、海藻の種構成や成長度合い、生息の違いが二酸化炭素吸収量の変化に貢献するかを検証する。
実験と並行して、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)が審査・発行するJブルークレジットの認定を目指す。将来的には二酸化炭素排出枠を企業に販売する事業も検討している。
今後は各自治体などで推進協議会を設立し、太平洋側だけでなく、磯焼けが進む日本海側でも活動を構想している。
途中経過や成果は同社のホームページで一般公開する。
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