1級建築士数など段階評価
旭川市総務部は、2022年度から試行を始める建築設計、建築設備設計の簡易型総合評価の要領をまとめた。企業の施工能力評価では同種業務実績や市内での本店・営業所所在、1級建築士在籍数などを段階的に評価。22年度当初の工事情報を見ると、簡易型3件と、より簡便な特別簡易型7件の実施を予定している。
市は過剰な価格競争の防止や成果品の品質向上の観点から、建築設計と建築設備設計への簡易型総合評価導入を検討。1日以降に公告する委託業務を対象に試行を始める。
入札価格から算定した価格点と企業・技術者の技術力からなる技術評価点を合算し、最も高い応札者を落札者とする。業務の実施方針を評価する簡易型と、この方針を問わない特別簡易型の2種で試行を進める。
技術評価点は業務の実施方針・理解度や取り組み意欲の評価、企業の設計能力、技術者能力の3項目で評価。業務実施方針と理解度や取り組み意欲に関しては総合評価委員会で書面審査を行い評定点を決める。
企業の設計能力は過去10年間の同種施設設計実績、旭川市内の本店・営業所所在、1級建築士(構造設計1級、設備設計1級を含む)の在籍数を段階的に評価して加点するほか、賠償責任保険加入の有無を問う。
技術者能力は配置予定技術者の保有資格を段階的に評価し、管理技術者と各分野の主任技術者の評価は同種施設の施工実績と関わった立場に合わせた率を乗じて技術評価点を算出する。
得られた技術評価点の合計を、配点上の満点で除した値に60点を乗じて得られた値を最終的な技術評価点とする。過去2年間で市の指名停止や書面注意などを受けている場合、10点減算される。
価格点は入札価格を予定価格で除して1から引いた値を、総合評価方式ごとの価格点の配点に乗じて算出する方式を採用。価格点の配点は簡易型の場合は30点、特別簡易型は60点で、簡易型の方が技術点の比重が高まるようにしている。
1日に公表した工事情報では永山西小増改築の建築設計と設備設計、日章小・明星中の耐震改修設計の3業務に簡易型を適用している。特別簡易型は千代田小解体、市役所第2庁舎内部改修など7つの設計業務を対象としている。