宗谷総合局が魚礁設置など
宗谷総合局水産課は、2022年度に事業化した日本海宗谷地区特定漁港漁場整備に着工する。持続可能な漁業生産体制確保を目的に利尻・礼文島周辺で魚礁や囲い礁を設置する。事業期間は31年度までで、総事業費は71億5500万円を想定。5月下旬にも初弾工事5件を制限付き一般競争公告する。
日本海北部に位置する利尻島と礼文島の海域では、昆布やウニの一大産地となっているほか、ホッケやマダラ、タコ、カレイなど豊富な魚種を有している。地域の水産業は観光や加工、運輸などとも関わりが深く、地域の漁業動向が地域経済に影響を与えている。
一方で、回遊性資源への依存度が高い同地域では近年、サケやスルメイカなどが減少している上に昆布や藻類といった餌不足によりウニも3割減の漁獲量に落ち込んでいる。
そこで同課は、持続可能な漁業生産体制確保を目的に同事業を計画。ウニの餌場となる藻場面積を拡大する囲い礁を合計6・5ha設置するほか、ソイ類などの幼稚魚育成場となる産卵礁3haや魚礁18万9000空m³を整備することとした。
22年度は金田岬沖魚礁設置、富士岬沖魚礁設置、鬼脇沖魚礁設置、利尻根周辺魚礁設置、利尻西部沖増殖場造成をそれぞれ5月下旬にも公告する。
整備内容は次の通り。
▽金田岬沖=魚礁4万2000空m³▽南高山地先=囲い礁1・2ha▽赤岩地先=囲い礁1・2ha▽栄浜地先=囲い礁0・5ha▽利尻西部沖=産卵礁3ha▽神居地先=囲い礁0・85ha▽神磯地先=囲い礁1ha▽政泊地先=囲い礁0・5ha▽利尻根周辺=魚礁5万6000空m³▽鬼脇沖=魚礁4万9000空m³▽清川地先=囲い礁1ha▽雄忠志内沖=魚礁2万1000空m³▽富士岬沖=魚礁2万1000空m³