
約80人が祝福した
地下資源開発を担う人材の育成へ―。掘削技術専門学校の開校式・入学式が11日、白糠町社会福祉センターで開かれた。関係者約80人が出席し、国内初の育成機関開校と1期生の入学を祝った。
不足する掘削技術者の育成を目的に、ジオパワー学園の沼田昭二理事長が設立。「日本の地下資源の開発、発展に主体的に行動できる人材の育成」を建学の理念とする。2021年6月に道が設立を許可し、9月ごろから募集を開始。1期生の男子4人が専門家の指導を受けながら1年かけて学ぶ。

新入生を代表し大野さんが決意を表明
沼田理事長は「掘削は大気中のCO₂を地中に貯留するCCSや、洋上風力発電の探査、地震計設置など、あらゆる場面で必要。授業で用いる資機材は20社を超える企業から無償提供していただいた。日本のエネルギー自給の課題解決に役立つ学校になるはず」と期待した。
来賓の棚野孝夫町長は「これまでのご縁に感謝し、歓迎する。町内では、大規模太陽光発電や木質バイオマス発電所誘致、庶路ダムでの小水力を活用した水素サプライチェーンの実証、地熱利活用に向けた可能性調査が進められている。今後も再生可能エネルギーの導入を積極的に推進する」と話した。
井上政史校長は漢詩を引き合いに出し、「一日に千里の道を駆け抜けられる馬はたくさんいるが、才能に気付く伯楽がいなければ活躍はできない。本校の講師は安全教育、資格指導でも伯楽の集団」と強調。「1年の学びは楽ではないが、一人一人が掘削技術の道を駆ける千里の馬になってもらいたい」と激励した。
最後に、新入生を代表し大野拓巳さん(23)が決意を表明。「将来の日本のエネルギー資源開発で貢献できる人材になれるよう努力する」と抱負を述べた。
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