音威子府村と東大生が連携 関係人口増や住民交流推進

2022年04月25日 17時20分

傘でパビリオン製作、村内施設改修

 音威子府村は、2021年度から東大の学生と連携したまちづくりプロジェクトを開始している。職員と学生が協力し、ビニール傘を使ったパビリオンの製作や、村内施設を改修。住民の交流を深める取り組みが評価され、まちづくりのコンテストも受賞した。村は学生を通じた関係人口の増加や、住民同士の交流推進を目指し、今後も連携を進める。

東大の学生と村民がプロジェクトを進めた(村提供)

 村は22年3月時点で人口が627人と減少が進行。道内で2番目に少ない村として知られる。第二期まち・ひと・しごと創成総合戦略の一環で都市圏学生との連携事業を計画。村外の学生と交流することで、村を客観的に把握することを目指した。

 21年7月にプロジェクトチームが発足。東大の学生は村役場職員が人づてに知り合い、都市工学や建築を学ぶ学生や、農業サークル「東大むら塾」のメンバーら9人が参加。職員からも希望者を募り、3人が集まり、オンライン会議などを通じて内容を議論した。

 プロジェクトでは学生の提案でパビリオンを製作。身近にあるものを活用する目的で、ビニール傘を素材に使用した。

 パビリオンの設置を通して、希薄となっている村民のつながりを構築することが目的。プロジェクトチームのほか、村内の高校生も協力し、旧中学校グラウンドにパビリオンを設置した。

 学生の滞在拠点とするため、筬島生活改善センターを改修。10月下旬から12月にかけて東京から学生を受け入れた。学生は滞在拠点で生活し、旧中学校校舎からオンラインで授業に参加。放課後は村のコミュニティーに加わるなど、親睦を深めた。

 3月には一般社団法人ソトノバが主催する屋外空間のプロデュースを表彰するソトノバ・アワードに出場。道外の学生を巻き込んだプロジェクトの珍しさが評価され、特別賞に輝いた。

 「外から学生が参加してくれたことで、村の置かれた状況を客観視することができた」と、プロジェクトに参加した忍穂駿平総務課地域振興室主事は語る。協働プロジェクトは今後も継続し、村民も交えた新規事業を検討する。(旭川)


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