生物観察拠点「ワンド」復元 十勝川中流部市民協働会議

2022年05月11日 17時35分

環境調査と治水の両立実現

 十勝川中流部市民協働会議(柳川久代表)は、十勝川相生中島地区に多様な生物の観察拠点となるワンドを復元した。会員企業のアークコーポレーション(本社・帯広)が設計、小川建設工業(同・本別)が施工を担当。整地や伐採によって川の生態系を調査する場を整えつつ、一帯の治水能力向上に貢献した。

ワンド(右)を観察できる環境を整えた

 ワンドは土砂などの河川構造物により、川端に水がよどむ水域。本川と接するが流れは穏やかなため、魚類や水生植物といった多様な生物が生息しやすい環境となる。

 帯広市、音更町、幕別町にまたがる位置にワッカの池というワンドがあったが、2016年夏の台風災害で消失。地形が変化し、一帯は札内川とつながった。周囲にはヤナギなどの樹木が多く、増水時には流れが悪化。治水対策が課題となっていた。

 環境調査と治水事業の両立を図るために、同会議は帯広開建と協議し、ワンドの整備を決めた。同会議に参加する帯広工高、帯広農高の生徒らが調査に訪れることを想定して、既存の砂利道をバスが通れるよう広げ、1haにわたって樹木を伐採した。増水時には十勝川の水がワンドを抜けて札内川に流れるようにした。

 工事費は70万円で4月18―21日に施工。今後は維持活動としてワンド出口の堆積物除去や樹木伐採を必要に応じて取り組む。

 和田哲也理事は「本川に加え、上流には遊水池などもある。比較しながら、どんな生物が居着くか調査することもできる」と期待。長い年月をかけて観察を続ける考えだ。


関連キーワード: 十勝 河川

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

  • 古垣建設
  • オノデラ
  • web企画

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

藻岩高敷地に新設校 27年春開校へ
2022年02月21日 (3,209)
おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,506)
交通体系整備を考える会、札幌外周高速道を構想
2023年06月20日 (1,427)
ヒトデ由来成分でカラス対策 建設業界に鳥類忌避塗料...
2019年06月28日 (1,378)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,354)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。