SDGsの取り組みを推進
中札内村は、新築する生ごみ処理施設に微生物処理を採用する。熱を使わずに菌の力で生ごみを分解し、残りかすや二酸化炭素の発生を抑える。新施設は8月にも着工し、年度内の完成、稼働を目指す。森田匡彦村長は「持続可能な施設になると思う。日本で最も美しい村を目指し、ゼロカーボンやSDGsの取り組みを推進したい」とする。
現施設はポロシリ福祉会が運営し、村が生ごみの処理と堆肥化を委託している。S造、平屋、延べ42m²の規模で上札内基線320の2に位置。南側には作業場や雨よけとして使うD型ハウスが隣接するが、いずれも老朽化が顕著で設備の故障も相次いでいる。
新施設は、現施設南西の更地に建てる。4月22日の第4回臨時村議会で補正予算に実施設計費292万円、装置製造設置費4207万円を充当し、月内にも実施設計の随意契約を結ぶ。
規模は、処理設備を導入する上で最低限必要な延べ162m²を確保する。建物の構造は現施設と同じS造、平屋で内部に処理設備を置く。
熱を使わず菌の力で処理するため、装置の酸化を防止。長期的な利用が可能になる。村の担当者は「水分量などの影響を受けず分解できる強力な菌を使う」と話す。残りかすが発生せず、気体化した物質を浄化して放出する。
装置は日本バイオエナジー(本社・横浜)の「エコ・クリーン」を検討。工場で製造、稼働確認後に一度解体して現地で組み立て直す。
1日当たりの処理量は約1tで現行と変わらないが、村の担当者は「これまでは難しかった学校給食センターなどの生ごみも処理できる」とする。
現施設は、新施設稼働後に利用を停止。将来的にはD型ハウスと一緒に解体する計画だ。